独り深夜の海岸でグールドを聴く

 今週の土曜日、演奏会のナビゲーターをするので何を喋ろうか考えていたら、モヤモヤとパニック障害的な兆候が左後方の窓の隙間から入ってくる幻覚に襲われた。結果として大丈夫だったけれど、適当に見えながらも生真面目な性格が要因と思われる。それから最近は日に3度程度記憶が曖昧になる。(かなりエロティックな夢ばかり見る。)睡魔と現実の境界線をいったりきたりしながら、微かに調子が良い時間もそれなりにあるので脳の動きを試行錯誤しながらギリギリのところで社会と繋がっている。
 ↓でハーディング指揮バイエルン放送の最近の演奏が聴ける。
 後半のブラームスは「まあ、こんなものかな。」だったけれど、前半のパルジファルシェーンベルクは個人的見解だけれど癒しの音楽「求めている世界。」だと思わずにいられない。特に<パルジファル前奏曲聖金曜日の音楽>が気に入った。誤解されると困るのだけれど名演か?と言われると「そうでもない」と答えるであろう。なんとなく凡庸で曖昧な音楽。歌のないワーグナー「永遠と続けばよいのに・・」
 昨晩珈琲を飲みながらテレビでミヒャエル・ザンデルリングが指揮しているN響ブルックナーをぼんやり眺めていた。素晴らしい演奏なのか?そうでもないのか?判断ができなかったけれど、ハーディングと正反対な起承転結の明確な世界観。こういう音楽は身体に悪いように感じられた。
 その後、深夜の由比ガ浜へ散歩した。半分濡れた砂浜に寝転び(当たり前だが周囲には誰もいない。)携帯用プレイヤーでベートーヴェン「月光」ソナタを聴いた。音源はグールド。最近嫌いなベートーヴェンだけれどグールドなら受け入れられる。というか、この奇怪な行動を友人に推薦したい気分なのは自宅で聴いている馴染みのある演奏が全く異なった響きに感じられるから。ちなみに蝋燭を2本持参し、砂浜に穴を掘り点火したのでした。
 


 7月は仕事をしないことに決めた。
 それなりにオファーはあったけれど全て人任せ。
 暫くは働きたくない気分なのです。


 ところでこんなニュースがありました。大賛成です。