タンホイザー

バイロイト音楽祭開幕翌日に一時退院ができ、リアルタイムというわけにはいかなかったけれど、3つの作品をPC鑑賞することができました。  
今年のプレミエはゲルギエフ指揮のタンホイザー。写真を見ると道化?映画サーカスを思い出す。プロダクションへの嫌悪と期待のブーイングを楽しみにしているワグネリアンも多いでしょうが、今回に関してはゲルキエフパリアッチョを演じたのでは?なる疑念が生じました。
帰ってきたばかりの病室でスマホなのでまともな感想が書けませんけれど、あまり良い演奏ではなかった。
ゲルギーのワーグナーへの憧れオペラへの憧れ。メトやマリンスキーのブルジョアを満足させ、現在も継続しているのかわかりませんが、今回に関しては年齢からくる息苦しさに似た絶望を感じてしまった。速度の揺らぎ、オケのコーラスのズレは誰でも気がつくでしょう。それがバイロイト初日だったことが悲しい。
昨年のドミンゴはジョーク。しかし今僕には来年以降のタンホイザーを指揮するゲルギーの姿が見えない。
歌手はグールドはじめ尖っていないけれど安心のメンバーばかり。
人は年を重ねる。
病院にいる自分を考えてみる。
たいぶ楽にはなってきたけれど、微かながら昨年には戻れない自覚はある。
ゲルギエフは一気に年を重ねた。
音が揺らいでしまいキャストとの協調性が希薄。今年の演奏はタンホイザーじゃない。