タンホイザー

バイロイト音楽祭開幕翌日に一時退院ができ、リアルタイムというわけにはいかなかったけれど、3つの作品をPC鑑賞することができました。  
今年のプレミエはゲルギエフ指揮のタンホイザー。写真を見ると道化?映画サーカスを思い出す。プロダクションへの嫌悪と期待のブーイングを楽しみにしているワグネリアンも多いでしょうが、今回に関してはゲルキエフパリアッチョを演じたのでは?なる疑念が生じました。
帰ってきたばかりの病室でスマホなのでまともな感想が書けませんけれど、あまり良い演奏ではなかった。
ゲルギーのワーグナーへの憧れオペラへの憧れ。メトやマリンスキーのブルジョアを満足させ、現在も継続しているのかわかりませんが、今回に関しては年齢からくる息苦しさに似た絶望を感じてしまった。速度の揺らぎ、オケのコーラスのズレは誰でも気がつくでしょう。それがバイロイト初日だったことが悲しい。
昨年のドミンゴはジョーク。しかし今僕には来年以降のタンホイザーを指揮するゲルギーの姿が見えない。
歌手はグールドはじめ尖っていないけれど安心のメンバーばかり。
人は年を重ねる。
病院にいる自分を考えてみる。
たいぶ楽にはなってきたけれど、微かながら昨年には戻れない自覚はある。
ゲルギエフは一気に年を重ねた。
音が揺らいでしまいキャストとの協調性が希薄。今年の演奏はタンホイザーじゃない。

ノイズ

院内のノイズが気になって仕方がない。
先日クレームを出した内容とは別の種類が大半でありこちらから何もできないものばかり。一晩中息子をよろしくお願いしますと叫び続ける老女。独り言の年配男性は同室。ふと老男と何故書かないと思った。深夜5分間隔でナースコールでトイレを要求するこれまた同室の老男(笑)食事時に家族が見舞いに来て、きちんと排泄したかどうか問いかける。そのままの言葉なら、ウンコ出た?硬さは?何故か10回位同じ質問をする。僕は白身魚の餡かけやら筑前煮が食べられなり、パニック障害の薬を慌てて飲む。
食後にはステロイド剤。
時間をあけて血糖値の測定を1日3回。
主治医に精神が耐えられないことを伝えた。早めの退院を検討する約束を取り付ける。
上記とは別の個人的なことですが、今後生活習慣の変化が加速するかもしれません。まだ未定なので考えは内緒。
ノイズは読書意欲を停滞させる。
CD
ブルックナーのミサe-mollが好き。
レークナーのベルリンラジオ放送

ロ短調ミサ
アーノンクールの1986年録音

メシアンサロネンのトゥーランガリラとカンブルランのアッシジ

シェーファーパーセルとGeorge Crumb

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病名

膠原病による間質性肺炎とのこと
身体元々の免疫機構のバランスを欠いた状況。
全身性に炎症がおこってくる。
例えば、皮膚、近位筋、肺、腎臓、関節。
原因は不明。

治療は副作用も気になりますが、ステロイド剤。
まさかの結果に驚きました。

8月頭の退院を目指す。

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本はフランクルの死と愛。
音楽はクライバー指揮の薔薇の騎手。来日時の非正規CD。

クレーム

入院して6日。
肺炎はまだ原因をつかめなていない状況。夕食後に薬を1錠。効果無し。
明日再び血液検査とレントゲンの予定。
しかしさほど難儀でもないのは、呼吸の苦しさを我慢していればいいだけだから。
入院して最初に気になったのは、看護師さんはじめスタッフの言葉使いだった。
例えば若い男性看護師が上から目線で、ちゃんと薬飲んだ❗のようなもの。明日退院だったよね‼️えっ👀⁉️覚えてないの?患者さんは自分がどこにいるのかわからない。可哀想になってしまった。
次に気になったのは深夜勤務ナースのうるさい雑談。

今回まさかの肺炎だったけれど、自分の精神疾患の根元に由来する悪玉は言葉と音に関係する。
それで結論なのですが、院内から下品な命令口調、そして深夜のノイズが消えた。
つまり僕がクレーマー。
でも誤解されると困る。
健康を獲得すべき聖地に対するささやかなアンチテーゼ程度。
優しき語りで、いかがなものでしょう?
不思議なのは同じようにあしき習慣と感じていましたと数名のナースに話しかけられたこと。

夜と霧を3回繰り返し読んだ。
音楽はバッハがいい。アーノンクールロ短調ミサ、クリスマスオラトリオ。
プルーストを読み始めた。

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入院

やたら咳が出るので何気なく総合病院の内科を受診したら、いきなり検査ばかりさせられた。
必要無いのに車椅子まで用意され吃驚。

これはもしかしたら危険な病?
紹介状を手渡され別の病院に移動。
驚いたことに、かなり重篤な肺炎だった。
結果そのまま入院することになりました。
たぶん1ヶ月程度かかるとのこと。

残念なのはリゲティのコンサートが聴けないこと。
入院期間とミュンヘンオペラ祭、バイロイト音楽祭が重なっていること。
せっかく肺の病で入院したのに、この病院にはアルマイトの洗面器が無い。
消毒液の臭いも無い。
これじゃ血も吐けない。

恐ろしいのは、優しくされると看護師が美人に見えること。
だまされてはならない。

しかし1ヶ月の入院って、暇だろうなと想像。
たまたま鞄に入れてあったのは夜と霧。
病院で読まない方がいい書物。
しかしこれしかない。

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数年ぶりの読書 村上春樹

 文字恐怖症が原因?何年ものあいだ読書ができずにいました。
 正確にはリズミカルな詩であるなら、何度か朗読を求められたり、他人の作った真面目な原稿を読むことはあった。舞台MCに関しては原稿は作らずテーマだけノートに殴り書きして感情にまかせることが大半。読む作業は真実と距離を生じさせる。
僕はイデアに導かれる。何度失敗を繰り返しても諦めない。(完全な成功は一度もない。)
イデアとは観念。今回読んだ本には ≪でもすべての観念がイデアではない。例えば愛そのものはイデアではないかもしれない。しかし愛を成り立たせているものは間違いなくイデアだ。≫
誰もが無防備に忘却の川を渡る。疑問を持たずに。僕はその場の感情を素直に話したいだけ。その難しさ。 
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 先日大量に本を売った。「騎士団長殺し」も古書店の主が紐に縛りかけたので「それはまだ読んでいないから。」・・「ああ、すいません。」
 購入して2年数ヶ月そのまま。読む気力もなかったけれど、広くなった部屋に500頁を超える分厚い本の上下巻がやけに目立ち「読んでみよう。」と思った。(結果2日で読破)村上さんの文章は読みやすく、悩みの文字恐怖とは別の次元の書物ではないかしらん。それでも面白かった。
 いまさらネタバレもないでしょうが「騎士団長殺し」のタイトルから「ドン・ジョバンニ」かなと想像していたら正解だった。同氏の以前の作品で「大公」やら「シンフォニエッタ」のCDが売れたけれど(ベルマンのリストもね)オペラはやはり売れないみたい。ちなみにショルティの「薔薇の騎士」のレコードが小説の中で何度も鳴らされる。
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 ちょっと草臥れました。
 続きは?