7月

 ブログをまめに更新しようと思いつつどうにもならない気だるい夏。
 最近の楽しみはバイロイト音楽祭ラジオ中継。ここ数日ほぼ徹夜に近い感じ。
 マイスタージンガー新演出でのオープニングはP・ジョルダンの指揮で、豪快というか正直な感想としてあらっぽい前奏曲。この人eテレ「旅するフランス語」でパリオペラが紹介されたときに「皆さんにオペラを聴きにきてほしい。わかりやすい椿姫とか・・」のようなことを言葉にされていて、はたしてその方法が正しいか定かでないけれど懸命に仕事をしているようには感じられた。ジョルダンといえば4月ウィーンに行ったとき僕は歌劇場中心だったけれど楽友協会でシンフォニカーとベートーヴェンのチクルスをしていた。多少気になったので予めyoutubeで確認してみたらなんだかもの凄く普通の興味もわかない演奏だったからパスしたのでした。
 マイスタージンガーではダニエレ・ベーレがダーヴィットを歌って注目を集めていた様子。個人的には物足りなさを感じつつ、仕方ない、こんなもんでしょう。それと若々しい表現はフォークトのワルター。ミヒャエル・フォレのザックスは堅実に歩み、最後は草臥れていたけれど上手に歌いきる。韻律への憧れ。子音の美しさ。エヴァベックメッサーはちょい苦手なタイプ。マエストロの豪快な音楽は聴衆を満足させたみたいです。近々BR Klassikで動画がオンデマンドになります。そのオンデマンドですが、残念ながらドイツ以外では視聴できないみたい。
 翌日はトリスタン。アニア・カンペのイゾルデを楽しみにしていて、良かったのだけれど、幕を追うごとに俗っぽい歌唱になってきている印象で、こちらのコンディションの関係かもしれませんが「愛の死」はちょっとNG。でもこれはわざとらしい音楽を要求する音楽監督の責任かもしれません。意識が高揚する大切なシーンで何故か前かがみになりながら指揮をする姿が想像できてしまう。作品に夢中でありたいのに現実に引き戻される感じは、例えば美しい女性を抱擁していたはずなのに気がついたらジジイだった。おぞましい世界。
 カンペと思い込みながら聴いていましたがペートラ・ラングだったと判明。ラジオHPでの表記がカンペだったから間違えましたが、聞き取れなかった自分が情けない。
 それで昨日がパルジファル。歌手素晴らしい。指揮者普通。最後にフライングブラボーが1名。
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 スプーンとフォーク。力は必要ない。曲がると思えば曲がる。
 バイロイトが始まる前にarte concertでミュンヘンオペラ「タンホイザー」の動画が公開されました。
 ぺトレンコ指揮でフォークトだから世界中のワグネリアンが期待していた舞台。ところが初日の様子をラジオで聴いたら、あまりに残念なフォークトでがっかり。(来日公演のチケットを売ろうと考えたくらい。)
 放送された動画は4日目らしく、多少は改善されたかな?そしてカステルッチの演出はどのようなものなのか?とにかく観てみました。そしたらこの舞台がとても面白い!表題役は良い意味で改善されてきた。演出内容は書きませんが、聴くたびに鳥肌が立つ。9月の来日に期待。でもNHKホール3階最後尾。高額な席は売れていないみたいでいまだにぴあやNBSから頻繁にメールがきます。
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 先週の水曜日、鎌倉の花火大会でした。
 海岸は何万人で身動きがとれないだろうし、聞きたくもない市長やミス鎌倉の挨拶でパニック障害になる可能性もあるから少し離れた高台の神社から。

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 一発目はまだ明るい時間。
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 周辺は蝙蝠が飛び交い、フクロウが鳴き、蚊に刺されるようなところ。
 花火の爆音が遅れて届き、風に運ばれる火薬は夏の匂い。
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 24(月)14時~東京文化会館小ホールで相京利枝さんのリサイタル。ピア二ストはこれまで何度も舞台ご一緒している友人の清水良枝さん。前半は相京さんのご主人(作曲家)の作品。後半はイタリア歌曲。平日マチネは年配女性の姿が目立ちました。
 
 東京文化は大学の図書館の匂いに似ている。いつも笑顔で迎えてくれたスリムで顔色の悪いショートカットの司書女性を思い出した。そこで僕は何年も誰にも触れられていないような書物を探しだし痕跡を残した。
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 あとはワイダ最後の作品を鑑賞してきました。全盛期の力強さ無し。それでも信じた道を歩む主人公に共感できた。映像の全体像と登場人物までの距離感がどこかで見たような気がして、帰宅後パンフを確認したら「戦場のピア二スト」の人が担当でした。あれはポランスキー?おそらくテレビCM記憶断片と交差したのかな。たしかあれもポーランドのお話。