逆さまな話

 自転車で近所の坂道を上りきり、頂上の不気味なトンネルを潜るとあとは下り坂、月影地蔵の脇を通過し降りきった処に稲村ガ崎小学校、その先に極楽寺がある。
 手入れの行き届いた参道の桜が美しく、満開ではなかったけれど丁度見頃。
 それから由比ガ浜を通過し、風が強く波も荒くかなりの速度のウィンドサーフィンをちらりと眺め、ケーキ屋さんでシュークリームを買って帰宅。
 それで後からから気がついたのですが、今日は4月8日つまりお釈迦様の生まれた日だった。
 意識して極楽寺に行けばよかったと少々反省した。
 それからもう遅いのだけれど、今年はフキノトウや土筆を採りにいこうと思っていたのに例の地震ですっかり忘れていて、どれも伸びきってしまい食べられない。
 仕方がないから来年を待つしかない。
 夜になりレコード鑑賞。色々聴いて、何だかしっくりこない。
 それでベームの「ジュピター」で気がついたのですが、配線が逆さまになっているみたいで、えらいこったファーストバイオリンが、なんと右側から聞こえてくる。
 なんでこんな初歩的ミスをしたのか?が問題であるけれど、言い訳をするなら幾つか理由がある。
 1)私は機械のLやRの指示に従い、赤は赤に繋ぎ白は白に繋いでいたのですから間違えた感覚が無い。
 2)フルトヴェングラーばかり聴いていた。つまりモノラルばかりで右も左も無い。
 3)コンサートに出かけた時にサントリーホールの安いP席ばかりで逆さまの音に慣れている。
 4)カートリッジやアンプに気をとられすぎて音楽ではなく音を聴いていた。
 以上の4つが考えられるが、問題は4であり「不徳の致すところ」である。
 たぶんおかしいのはフォノイコライザーで、メーカーにクレームを出すことが道理でしょうが、兎に角気がついたのですから其処だけケーブルを逆にすればいいのですから面倒な手続きはしないようにします。
 しかしレコードばかり聴き始めてまだ数日ですが、気がつかなかった自分が情けない。
 お前は何年音楽を聴いてきたのだ!ともう一人の自分が語りかけてくるみたいで、昨日なんか、あのレコードもモノラルでしたが、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲4番」クレメンス・クラウス指揮ウィーンフィルでピアノがバックハウスに夢中になっていた。
 あの後「トスカ」の一部分を聴いていたっけ、あーあ、あれはステレオ録音である。
 それから1枚だけ持っているカーペンターズだけれど、こいつは右も左も何が正しいのか分からないからいいや。
 明日から音ではなく、音楽を聴きます。
 情けない!
 
 @この記事で私は重大な間違いをしました。
 左右が逆はフォノイコライザーではなく、アンプでした。
 失礼いたしました。