8月9日

 昨夜NHKで戦後GHQ政策の長崎担当として来日した米国軍人について放送していた。
 彼は長崎原爆の犠牲者罪無き民間人に直面した。
 かつてユダヤ強制収容所で死体の山悪臭と対峙ナチスへの憎しみを強く持ったが、我々も取り返しのつかない同じ罪を犯したのだと認識。
 ある日、お寺で合同葬。
 馴染みの無い仏教の儀式だったが、集う人々の悲しみに心のやり場が見つからず動揺した。
 そして軍人でありながら、悲劇の現実を本国に伝え続ける行動にでる。
 例えば被爆した14才少女の手記を本として公開するべきと奔走した。
 時まさに東京裁判と重なり、それは戦犯に対しての犯罪追求が主題。
 仮に日本軍による他国民間人への殺戮も課題とすれば、米軍による原爆投下や空襲も責任が問われる可能性がある。
 つまり本の出版は不可能だった。
 彼の記した報告書等の書類は現在米国の大学内に厳重に保管されており、今回の初めてカメラに映し出された。
 トルーマンは犯罪者であると彼は言う。
 現在まで毎年続く平和式典の礎はこの人によって築かれたそうである。
 長崎滞在時に彼にはお嬢様が誕生され「お前は長崎の子だ。」と喜び、互いの国家の和平を願う。
 彼は13年前に他界したそうだが、長崎の惨状が描かれた絵画を生涯にわたり大切に所有し、晩年「お前にこれを託す時がきた。」と長崎で誕生されたお嬢様に絵画を引き継いだ。
 彼女にしてみれば僅か一年足らずの日本の記憶は無く、多くを語らなかった父親の思い、その真実を探るべく、この度ご主人を伴って60年以上の時空を超え誕生の地長崎を訪れた。
 当時を知る人との出会い、爆撃後の写真を見学、無縁仏9000以上の納骨堂に向う。
 「アメリカの教科書に原爆投下とは記されているが、遺体の写真等は公開されていない。私は知らなかった。」と涙を流し場を立ち去ることができなくなる。
 教科書問題は日本に限ったことではない。
 追求改訂が必要である。
 日程の最後に父から託された絵画の場所を探し、描かれている三角屋根の崩れそうな建造物が、勿論現在では修復されているが、自身が誕生後洗礼を受けた教会であることを知る。
 「全ての疑問が解決したね。君は長崎の子なんだね。」とご主人が優しく声をかけた。
 彼女は「帰国したら、まず友人たちにこの事実を伝えます。そして行動を始めます。」と強い意志を言葉にした。
 
 これから長崎の式典が始まる。
 米国の来賓もいるそうであるが、世界のリーダーと自負する歴代の大統領が一度も訪れていない現実。
 ノーベル賞を貰ったオバマはその後核実験をした。
 辞職直前の馬鹿な首相は広島同様の誰かが書いたような原稿を朗読するだけなのでしょうか。
 今日は猛暑のようである。
 太陽よ大地を力強く照らせ。
 鎮魂の鐘を鳴らせ。
 
 いま長崎の映像が映し出された。
 雨である。
 そういえば、そんな歌があったっけ。