世界文化遺産推薦

 鎌倉が世界文化遺産正式推薦だそうで、どんなものでしょうか。
 ニュースを見ているとお決まりの鶴岡八幡宮と大仏様の映像が使われていて、確かに遺産と表現できるような個々の神社仏閣は素晴らしく、誰かが遊びに来れば案内したい隠れ家のような場所は其れなりにあるのですが、鎌倉の名前を使用したくだらない土産物に代表されるような便乗商法とか、最初は知らなかったから八幡宮に初詣に行くと大きなスクリーンでテレビを流し、大量消費の御神籤や破魔矢を誰もが有難いと買いあさり、「鳩サブレ」の黄色い紙袋を持った人が大勢いて、なかなか商売精神旺盛で欲望の渦巻く凄い街だと気がつかされる。
 「おにいさん!人力車乗りませんか?」
 「乗るわけねえだろ、鎌倉市民だ!」
 自宅から一番近くにある郵便局が大仏様と長谷観音の間にあって、歩くと約10分掛かるから、自転車に乗って住民税とか払うために逃れられない一般市民の立場で郵便局を利用しているのだが、あの辺りは人口密度が高くて、「なんで自転車なんかで来るのよ。」と集団のおばさんに嫌な顔をされたことは一度や二度ではない。
 「あなたが来たので私はいたの。」と言い返したくなるが、その度に我慢しながら穏やかに微笑む。
 大仏様近くのソフトクリーム屋で「オバ抹茶ソフト」というのがあって、去年オバマが抹茶アイスを食べたことに由来するのですが、商品名として武家の都にありながらアメリカに媚びている。
 最悪である。
 先週の三連休あたりから観光目的の人達が随分増加したみたい。
 もし文化遺産になってしまったら、もっと人が増えてしまうのだろうなと想像する。
 それでもゴミゴミしすぎているから認定はされないだろうな。
 平日はそうでもないけれど土日の人出の多さは限界である。
 観光客が増加すれば街が潤う理論なら「武家の都」も行政の思惑。
 だったら推薦を取り消しなさい。
 やめなさい。
 
 そんなことより明日はグルベローヴァである。