シルヴィ・ギエムの「ボレロ」

 
 ブロ友の記事を幾つか読ませていただき皆が今年の纏めに入り始めているのだなと少々驚いた。
 しかし会社ご勤務ならば年末年始が冬休みなのですから、気持ちに切り替えには具合が良いのでしょうか。
 私はクリスマス前後それなりに用事があったので、数日で新年が明けると知っていても今日が明日になるだけぐらいにしか感じられない。
 何年も前から年賀状も書くのを止めてしまって、それでも毎年お送りくださる人たちには感謝の気持ちを抱きたくはなるし、彼らに生かされているのだなと思います。
 今年は色々なことがあって、今日も日本酒をチビチビやりながらテレビを観ていたら「2011のニュース特集」かなにかで、こればかりは仕方がないが震災の内容が殆どだった。
 そんななか、いきなりシルヴィ・ギエムボレロを踊っている強烈な映像が飛び込んできた。
 日本にやってきて彼方此方で公演をしたのですが、ニュース映像は福島か岩手の公演の様子で
 「私は自らの意志で踊る。」と書かれたNBSニュースの記事に感銘を受けたことを思い出した。
 番組は報道特集ですから1分も映っていなかったのでしょうが、やたらかっこよく感じられた。
 どうにかして劇場に行けばよかったと些か悔しい思いである。
 この動画は以前五反田のホールで踊った東京バレエ団との動画でテレビでも紹介され個人的に全部録画してある。
 そうすれば楽屋口で私は「薔薇の花束」と「真紅のトウシューズ」を贈りたいとは以前もブログで書いた記憶がある。つまり感覚的には「私のシルヴィである。」
 なんといっても彼女は空を飛ぶのだ。ジャンプするときに一時停止ボタンを押すと冗談抜きで飛んでいるように見える。これは惚れる。
 
 今年は演奏会にあまり行かなかった。
 音楽もほとんど聴かずに過ごしていた。
 昔からそうですが、レコード屋CDでは満足ができない心に速度が増した感じていて、睡眠導入剤を飲まなければ眠れないコンディションと関係があるのかもしれない。
 そこで、みんなの真似であるがベスト舞台を少ないなりに考察したい。
 
 1位は ラトル指揮ベルリンフィルの「マーラー9番」初日。
 2位は ケント・ナガノ指揮ジョーンズ演出バイエルン国立歌劇場のワグナー「ローエングリン
 3位は グルベローヴァ主役バイエルン国立歌劇場ドニゼッティ「ロヴェルト・デヴェリュー」
 次点 まことに僭越ながら私が朗読と司会した北本市の「混声合唱団ラトナ演奏会」を無理やり上げたい。
 それから特別賞として演劇ですがパトリス・シェロー演出マルグリット・デュラス原作「苦悩」ドミニク・ブランの一人芝居である。これは衝撃的で本来であれば1位でもいいくらいの完成度だった。
 ついでに趣味に合わず最悪だったのがサイトウキネン松本のバルトーク青髭公の城」だった。
 作品に問題があるのではなく、代役だったピエール・ヴァレーの指揮と金森さんの演出であり、こんなに酷い舞台は初めて観たような気がする。
 それからベスト2位にランクしたが、ケント・ナガノの3幕での豪快な指揮が作品をぶっ壊すギリギリだったことをいまだに悪夢として思い出す。
 そんななか評価を上げた音楽家は圧倒的にローエングリンを歌ったヨハン・ボータだと感じている。
 来年のチケットは何も買っていない。
 この1年で本は100冊程度読んだと思う。
 音楽に対しての感激が微かに摩耗しているのは事実である。
 どうしてかよくわからない。
 とりあえず動画は「ボレロ」である。
 躍動感があり美しい女性である。