夢の国のシンデレラ

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 学生時代に結婚した友人がいる。
 奥様は18歳?で女の子を出産した。
 いつしか女の子は大人の女性になっていた。
 ガラスの靴を履いていたわけでもないし、王子様が馬車に乗って迎えにきたわけでもない。
 パーティルームにミスチル桜井さんバージョンの「糸」が流れた。
 いい歌だと思った。
 爽やかな青年とシンデレラは友人たちの祝福を受けた。
 皆が笑顔だった。
 新郎新婦と間違えられてもおかしくない若い両親は目を細くして舞台を見つめていた。
 彼らの人柄そのままの温かみのある時間だった。
 できればお開きなんか来なければいい。
 しかし、「始まり」も「お仕舞い」も告げなければならない。
 それが僕の役目だから。
 
 本来仕事のことはあまり書きたくない。
 でも今日は、両親の気持ちが痛いほど伝わってきて、困ったことに喉の奥に小さな石を詰らせたように感じられ、書かずにはいられない。
 僕は両親にアルザス貴腐ワインをプレゼントした。
 今夜グラスを合わせてくれたかな。
 
 オフ会の時「GWにTDLに行く」と話したら、「GWですか?それは大変。しかし似合わないですね。」と言われた。
 それは充分自分でも解っていること。
 普段からミッキーを見ると殴りたくなる奇怪な衝動を覚えるのだ。
 ホテルに到着した時なんか、悪しき亜米利加資本主義の巣窟みたいな巨大な建物を見上げ、「従業員はフリーメイソンモサドかもしれないから注意しながら司会をしなければならない。」と日独伊の芸術を愛するがあまり、呪文のように己に言い聞かせた。
 本当にミッキーに暴行したら新聞に出るだろうな。
 「夢を知らない男ミッキーを殴る。」
 しかし、職業病なのはマイクを持ったとたんに意識が飛んでしまうのは、婚礼に限らずいつ何処でなんのイベントでも同じこと。
 物事を拒否する立場。さりげなく客観視する立場。少しだけ参加する立場。もう少し積極的に前に出る立場。そして、完全に輪の中心に入り馬鹿みたいに盛り上げる立場。
 どのように進めばいいか選ぶ道は沢山あるけれど、一番楽しいのは輪の中心にいる時なのです。
 やってみればいい。
 試してみればそれが正しいと解る。
 
 
 ところで「糸」って、n先生の好きな中島みゆきさん作詞作曲なのですね。
 それをFJさんが好きなミスチル桜井さんバージョンだったわけだ。
 私はそいつを更にアレンジして結びの言葉とした。
 
 なぜ巡り合うのか、私は何も知らない
 夢を追いかけ
 歩み始め
 糸結ばれし
 いつしか布となり
 優しさ、温かさを提供する
 S君!Mさん!おめでとう!