馬琳

 いじめ問題、交通事故の裁判、原発反対のデモ等、幾つか思っていることを書きかけたのですが、どうしても文章化することが難しくて何度か削除を繰り返し数日が経過した。
 なんか書けないから、角度を変えてみた。
 
 意味もなくyoutubeでスポーツのスーパープレーを観ていると、それなりに面白い動画があるもので奇跡的な技術のオンパレードなのだけれど、この人に関しては奇跡の連鎖が当たり前みたいで、努力さえすれば人間やってできないことは何も無いような気さえしてくる。
 中国の卓球選手スーパースター馬琳(マーリン)である。
 前回の記事で自分が学生時代に卓球していたことを告白したので、ちょいとばかり拘りたくなってきたことと、日本的なイメージで一番強い選手が福原愛だと思い込れても困るので、「これが卓球なのだ!」と私は言いたい。
 本当に凄い!
 一時期馬琳は、毎回世界選手権の決勝まで辿り着きながら最後に負けてしまうことから、無冠の帝王とか言われていたのだけれど、4年前の北京五輪で金メダルを獲得した。
 動画の最後のプレーが優勝の瞬間なのですが、今見ても感動的である。
 今回のロンドン五輪からシングルスに関しては各国2人しかエントリーできないので、現在の世界ランキング1位と2位の若手選手が中国代表だそうです。
 なんて書きながら、実情としては世界ランキングの1位~5位まで全部中国人なのですから、もしかしたら世界1位になるよりも国の代表になるほうが大変なのかもしれない。
 因みに6位が日本の水谷準なのですが、今回の五輪では準決勝まで中国選手と当たらない理屈だから、もしかしたら銅メダルを獲得できるかもしれない。(今気がついたのですが、金に同じで銅と書くが、同じではない。)
 でも世界ランキング3位~5位が出場しないオリンピックで3位になったとしても、果たして世界3位になったといえるのか疑問を感じないではいられない。
 
 先日、100メートル世界記録保持者ジャマイカウサイン・ボルトの身体機能の分析をしているNHKの番組があって何気なく見ていたのですが、「どんなに努力しても絶対に日本人は勝てないだろう。しかも半永久的に不可能である。」という可笑しな確信を抱いてしまった。
 水泳なんかも強い日本人はいるけれど、もし中南米やアフリカの人たちが子供の頃から英才教育を受けたとしたら、北島選手とか歯が立たないのではないだろうか。
 卓球に関しても全く同じような感想を持っているのだけれど、実はその昔、荻村伊智朗という凄い人がいて何度も世界チャンピオンになっていて、確か当時15年連続で日本が世界1位だったと俄かに信じられない時代があったのです。
 <大事なのは「稀に見る素質」ではなく「稀に見る努力」である。>
 <私のスピードを上回る選手を見たことがない。なぜなら、私の修練を上回る修練をした者がいないからだ。>
 恐ろしい発言であるが、結果を出した人が言ったのですからそのとおりなのだろう。
 しかもスポーツマンシップの塊のような精神で常にフェアプレー、倒れこんできた外国選手を身体で支えて怪我をしないようにフォローしたりと伝説も多い。
 1962年に周恩来から荻村さんに「中国に卓球を教えて欲しい。」と依頼があった。
 中国各地で指導を続けた。
 国交正常化以前の話なのですから、スポーツが国を動かしたということになるのでしょうが、結果中国が桁外れに強い国になってしまった。
 荻村さんは94年に亡くなりましたが、学生時代に何度か見かけたことがあった。
 印象としては穏やかな表情で選手を見つめている優しそうな紳士だった。
 いまお元気でいらしたら、この動画にどのような感想を持たれるだろうか。
 
 馬琳の動画で個人的に特に好きなプレーは、3分20秒・4分10秒・4分19秒の3つである。
 先に攻撃を掛け、最後まで諦めない姿勢に心打たれる。
 
 いつだったか、学生時代に卓球部にいた人の結婚式の司会して、それがきっかけで「卓球しましょうよ!」と何度も誘われて、仕方が無いから道具を揃えて体育館行ったわけ。
 そしたら身体が思うように動かない。
 でも昔出来ていたことが出来るような感覚があるから、途中から本気になって打ち続けた。
 翌日ベットから起き上がれなかった。
 整体に行ったら「交通事故にでも遭いましたか?」と先生に言われた。