近所にある史跡

 暇な夏を過しております。
 近所に国の史跡に指定されている大仏切通しがある。昔はトンネルなんか無かったから、山を削って長谷の大仏方面と笛田・常盤・深沢地区(藤沢方面)を結ぶ道が作られた。それが主に生活路として使用したのか、武将の権威がそうさせたのか、詳しい事は僕にはよく分からない。ただここは世間で知られた鎌倉と異なり非常に不気味な場所なので、万人向きとは言い難い。実際大仏より先には行かない人が多いのですが、時々海外の特にドイツ語やフランス語で会話している人たちを路地で見かけるので、こういう場所が好きなのかなと思う。
 最近、崩落の危険性がある理由から通行止めになったと市の広報誌か何かで読んでいたけれど、散歩ついでに行ってみたら、曖昧な記憶だけれど柵が無くなっていて進入できてしまった。
イメージ 1
 お墓参りや古い教会に入ると身体全体がゾクッとすることがあるけれど、そいつがもう少し過剰にやってくるとでも表現したらいいかしらん。夜なんか絶対に近づかないほうがいいでしょう。奥に死者を弔うヤグラが見える。心霊現象とか写っているのかな。
イメージ 2
 坂を上りきると、古の人々が恐らく鎌のようなもので岩盤を切り開いたであろう道が続いている。文献によれば人力車が通ったとか。ちょっと考えられない。
 数メートル先から振り返った風景が下の写真。底の厚い靴でなければ歩き辛い。ヒールとかNGです。
イメージ 3
 そんななか山葡萄を発見し、その場で食べたら渋味が凄くて「こりゃ駄目だ」と吐き出した。
 周囲は蝉の抜け殻が沢山。それ以前にやぶ蚊だらけですから、夏場は虫除けスプレーしたほうがいいみたい。
 あんまり進んでも帰りが大変になるだけですから途中で引き返したけれど、改めて感じたのは「鎌倉が世界遺産にならなくて良かった」ということで、こんな静かなところが富士山状態になってしまったら悲劇的ですし、別の町に引っ越したくなるだろうな。
 先日も似たようなブログ書いていて、あの時は花火が見える場所探しだったけれど、結局は人ごみを恐れるがあまり自宅にこもったままでした。鎌倉ケーブルテレビで生中継していて「次は○○不動産からの・・」といちいちアナウンサーがローカルなスポンサー企業を紹介していてロマンティックとはいえない。アナウンサーの後ろには3人のミス鎌倉が立っていてコメントを求められて「えーと、とても素敵です。」とか、どうしようもない空気が漂う展開。「ミス鎌倉は鎌倉のミス。」だろうか。考えてみたら馬鹿みたいな鑑賞方法ですが、窓を開けるとテレビから2秒遅れくらいでドカンと音が鳴る。初めて知ったのは打ち上げ花火の先っぽ頭の部分だけが窓から顔を覗かせたこと。
イメージ 4
 この場で深夜「きもだめし」やったら面白いかもしれないと考えつきましたが、切通しを作るために多くの人々が生命を失ったであろう現実を思えば静かなまま保存することが望ましいでしょう。そして当たり前ですが煙草やゴミ捨て厳禁。
 途中コンビニでアイスクリームを購入し帰宅。
 自宅と切通しの間に変なオヤジが住んでいて、自転車で歩道を走る人たちを捕まえては「法律を守れ!」といちいち注意している。正しいおこないかどうかは別にして、そうとうに暇なのか道路を見張っているのだから嫌になる。喧嘩売ってきたら「俺は源氏の末裔だ!文句あるか、切捨て御免。」と言ってやろうか。
 自然環境とは別に人間関係は難しい地域なのかもしれません。