能楽鑑賞とお買物

 これから仕事なのですが、台風による交通機関が心配で早起きしてしまいました。
 少し時間があるので最近あったことを脱力しながら書いてみます。
 スカラ座を聴いた前日、観世能楽堂に出掛けた。
 お能 三井寺(ミイデラ)  狂言 伊文字  仕舞 野宮  お能 安達原(アダチガハラ) 
 伊文字には野村万作が出演し、いい具合に枯れた言葉の表現と巧みな舞にを楽しむことができましたが、この日の白眉は「安達原」だった。
 馴染みのない人も多いと思うので簡単に物語を紹介すると、
 熊野那智・東光坊の祐慶の一行が旅をしていて、陸奥の安達原で日が暮れてしまい、一軒の明かりを見つけ「一晩泊めてくれないか」と戸を叩く。その荒れ果てた家に中年の女性が住んでいて、一行を招き入れる。
 女は世の中の虚しさを嘆きながら糸車を回す。そして女は寒くなってきたので薪を集めに行く。「私が留守の間にこの扉を開けたら駄目よ」と言う。一行の一人が欲望に負けてこっそり中を覗いてしまうと、その部屋には死体の山。そう女は鬼だったのです。びびった一行は大急ぎで逃げ出したけれど、鬼女が「待て!」と追いかけてくる。最後は祐慶の祈りで鬼女は姿を消す。
 「鶴の恩返し」と「青髭公の城」を混ぜ合わしたようなお話なのですが、この舞台で大鼓を叩いていた亀井広忠さんという人があまりに凄いので吃驚してしまったのです。こればっかりは能楽堂でご自身の耳で確かめていただくしか方法はありませんが、命を削る芸とはこういうことをいうのではないかと感動してしまった。まだお若い人なのですが、今後要注目です。怖いくらいの世界を体験しました。
 実は能にはまりそうな今日この頃。ただし、仕方がないかもしれませんが客層は良くない。出入りする人が多く、私語も多い。
 
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 僕は鉛筆が好きで新しいものを購入した。シャーペンが苦手なのです。
 仕事でいつも使っているのですが、鉛筆削りの具合も最近調子が悪かったので三菱の手回しスタイルもついでに買った。鉛筆は毎回STAEDTLERのHB。少し高いけれど、軽くて折れにくく滑らかで書きやすい。これだけでいい仕事ができそうな気がしてくるのだから、ものごと形からはいるのも悪くない。
 それと前から気になっていた本を購入。昨年他界された諏訪根自子さんの伝記。
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 あまりの面白さに一気に読んでしまった。時代に翻弄された音楽人生。人柄。哲学。人との出会い。別れ。美しい女性。音楽ファンに推薦いたします。
 雨が強いので出動いたします。 ではまた。