消えた古民家 その1

鎌倉土産の定番は鳩サブレーだけれど個人的には紅屋の「くるみっこ」を推薦したい。胡桃が入ったキャラメル味の美味しい焼菓子。
自転車でそれを買いに行きました。(八幡様近くの本店)
店の裏道を入ったところに吉田秀和先生のお宅があるのだけれど、お亡くなりになった今でもふらりと散歩されているように思えてならない。
用事が済めば来た方向段葛を逆に進めばよいのだけれど、毎回わざわざ先生のお宅前をぐるりと通過してから帰路に着く。
昨日もそうだった。
ところが愕然としたのは、先生のお家がさら地になっていたから。
自転車を停め何分間立てる人だったか分からないけれど、やり場のない哀しみが襲ってきて混乱した。
ちょうど先生のお隣に居を構える年配紳士が庭いじりされていて解体されたばかりと教えてくださった。
「先生のご本が好きだったのかい?」
その一言がきっかけだったのだけれど、先生宅の表札「吉田」が雨風で消えてしまった門があった場所辺りで我々は会話した。初対面なのに一時間以上も。

今朝メンデルスゾーンのVn協奏曲を聴いた。

その2につづく。