ドレスデン聖母教会の思い出

 自室を整理していたら面白い写真が出てきました。
 ドレスデンの廃虚と化した聖母教会とルターの銅像である。
 やたら貴重な写真に思えて、書庫は「お宝公開」に所属とする。
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 20代の頃のヨーロッパ貧乏旅行、ザクセンの栄光をこの目で確かめたくなり、記憶も曖昧だがあちこち放浪したあげくケルン辺りから寝台電車に乗り英語もろくに通じない真冬のドレスデン駅に10数時間かけて到着。
 地図を頼りにゼンパーオーパーと予約したホテルを探していたのだけれど、自分がどこにいるのか混乱したので、ルター像の前で改めて地図をひろげ<おかしいな?ここに聖母教会があるはずなのだけれど・・>
 その時、杖を手にした枯葉のような年配の男性が話しかけてきた。
 老人 「どこに行きたいんだ?」
 僕 「聖母教会はどこですか?」
 老人 「ここだ!」と廃墟を指さした。そして続けざまに「どこからきた。」
 僕 「日本人です。今夜ゼンパーでマイスタージンガーを聴きます。」
 老人はいきなり握手を求めてきて「お前は同志だ!」そしてなぜかハグされた。
 という超右よりの嘘みたいな話。
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 この写真は何年か前に再建された聖母教会。部分的に瓦礫の一つ一つをパズルのように組み合わせて作り直したというから吃驚である。
 去年だったかティーレマンが礼拝堂内部でメンデルスゾーン宗教改革」を指揮していて、全く期待しないでラジオをつけたら、もの凄い変な演奏で、聴くに耐えないので途中で電源を切った。
 奴は芸術を理解していない。
 
 7月に入ってから諸事情により仕事をしていない。
 こんなチャンスもあまりないので、髭を剃らずにいるのだけれど、先ほど鏡を見ながら剃刀で整えた。
 似合っているのか?だけれど、昨日アロハを着てオールバックにサングラスで街を歩いたら、混雑しているのに世間の人々が道を作ってくれた。
 これから僕はマイスタージンガーを聴く。