文化人の他界

 週末から考え事ばかりが続いていて、悩み事ではなく、短期間のうちに解決させなくてはならない目標だったことから些か神経質になっていた。昨日そいつから開放された。そしていつものように寝込んでしまう疲労が襲ってきて、調子が良い時間も長続きしない。何をしていても集中力が散漫な状態。食事の時間も睡眠時間もバラバラ。気がつけばブログもあまり書いていなかった。
 そんななか友人からヤナーチェク初期の作品「シャールカ」のライヴ録音を入手。長さもほどがよく音楽的な居心地も現在のコンディションに相応しく数少ない芸術的快楽と結びついた。とはいっても生真面目が災いして鑑賞後には1時間ダウン。それでも3度聴けたのだから好きな音楽ということ。
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 最近様々な文化人が他界する。(残念な人もいれば、そうでもない人もいる。)
 その中で最も衝撃を受け悲しく感じたのは長年オペラ・バレエ界を牽引してきた佐々木忠次氏の死去。
 http://www.nbs.or.jp/nbsnews/352/03.html ←NBSの招聘で国内を訪れた様々な芸術家からの追悼メッセージが掲載されている。僕はそれを全て読み幾つかの懐かしい舞台を思い出していた。
 佐々木氏がNBSの中心的役割を担っていたのはいつ頃までだったのか記憶が曖昧だけれど、いつからか企画そのものに面白みがなくなっていた。もしかしたら一線を退いてからそういう方向?どこか脱力して舞台に鮮度を求められなくなっていったと思っている。例えば秋に横浜でポネル演出「フィガロ」が上演されるが、これは化石のように古い舞台。初めて観る人には理解しやすいとは思うけれど、しかもムーティの指揮なのだから聴かなくても全ての音楽が見える。良い表現するならCDのような完全主義の立派な演奏で、代金が高額であろうと「フィガロ」だからかろうじて売れる。会場はブラボーと大騒ぎになり誰の目にも成功したと満足。
 僕が言いたいのは舞台芸術には賞味期限があるということ。それはかなりのスピードで腐ると思っている。
 また外来オペラ引っ越し公演は近い将来芸術的に破綻するという危惧がある。
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 蜷川幸雄氏も他界した。3~4回観に行っているのですが、実は最後まで鑑賞したことは一度もない。つまり面白くなかったので全部途中で席を立っているのですが今回書きたいことは関係ない話。
 ワイドショーとかのそれで演出家が怒鳴ったり灰皿投げたりが映されていて、肝心の舞台が希薄になっていることがストレスだったのですが、NHKだけはそこそこまともなドキュメンタリーが再放送されていた。
 それでも断片的で切り貼りみたいな内容だったため何だかわからなかったけれど途中から蜷川さんの追悼番組を想定して放送局が作成したものだったのではと気がつかされのです。
 似たような番組といえば吉田秀和氏の時もそうだった。国営放送はそのまんま吉田先生の言葉を引用するなら「あそこは時々そういうロマンチックなことを求めてくる」・・・他にも誰かいたように思うのですが、最近気になっているのはまだ生きているにもかかわらず、NHKが死を待っている対象者がいるということ。正解ならば非常に気持ちの悪い放送局だなと思ったのです。毎回思うのは傾向としてトリビアリズムが多さ。僕は本質を知りたい。
 勘違いであればいいけれど、女優タレントのT・Kさん(ドラマまでやっている)・・女流作家のJ・Sさん・・指揮者のS・Oさん etc