ウェブラジオと珈琲と

 サロネンウィーンフィルを指揮する予定があって、ORFで放送されるというから楽しみにしていた。
 ところがその演奏会が放送局のメニューから突然消えてしまった。といってもラジオのことなので普段ならあまり気にしないでしょうが、仮に旅行予定を5月にしていたとしたらそのチケットをどうにかしていただろうから何があったのか検索してみた。そしたら「サロネン急病のためキャンセル」しかも代役エッシェンバッハ。これにはちょいと驚いた。
 つまり現在ラジオではエッシェンバッハが配信されているのですが、どうでもいいから聴いていない。だいたいサロネンの急病ってナンセンスに感じられるのは、その時期他でも仕事しているしどう考えても奇妙である。
 僕は昨年末くらいにウィーン行きを考え始め、最初は3月か4月か5月でいつにしようかな?なんてフリーターならではの超適当な計画だったのです。ちなみに3月ならばグリモー、5月ならばサロネンが聴けるのだな程度のイメージはあったけれど、芝居好きの小生として観劇はオペラを中心に決定されるのでギュールバカ演出の「カプリッチョ」以外に興味がわかなかったのです。それに5月にグリモー来日なのにわざわざエレーヌを避けるようにオーストリアに行くなんぞ馬鹿みたいとは気がついていた。
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 それでサロネンなのですが、同じORFで別のライヴ録音が配信されている。メトロポリタン歌劇場での「エレクトラ」で、プロヴァンスに始まったシェロー演出がニューヨークに上陸したということ。アメリカ人はどう思ったかな。
  http://oe1.orf.at/programm/438010 たぶんあと5日くらいは聴けると思います。
 Mit Nina Stemme (Elektra), Adrianne Pieczonka (Chrysothemis), Waltraud Meier (Klytämnestra), Eric Owens (Orest), Burkhard Ulrich (Aegisth) u.a.; Chor und Orchester der Metropolitan Opera New York; Dirigent: Esa-Pekka Salonen (aufgenommen am 30. April in der Metropolitan Opera New York)
 以上のようなキャストなのですが、表題役がこれまでのヘルリツィウスではなくシュテンメになっていることが気になっていた。それで先ほどシュテンメのエレクトラを聴いてみました。(半分眠っていたが)感想は書かないけれど、あんまり好きとはいえない種類のエレクトラ。それでも世間の評価は高い。秋の国立来日公演ではブリュンヒルデ。現在最も優れたドラマティックソプラノ。S席67000円の「ワルキューレ」冗談じゃない。僕は絶対に行かない。
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サロネンに関しては熱演だったので、もしかしたらニューヨークで気合いを入れすぎて「急病」になったのかも?と思った。
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 数日前に異常なほど慎重に2種類の珈琲を焙煎した。
 それをブレンド。マンデリンとモカです。
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河野の手回しミルを使い丁寧に豆を挽く。
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神経質に一杯の珈琲が完成。売れるのではないかと思うレベルの仕上がりに満足。
 そういえばグルベローヴァプラハと来日して「ノルマ」を歌うという俄かに信じがたいお話は現実みたいで、土曜日だったかリサイタルのチケットも発売された。今までだったら速攻で入手していただろうけれど、なにも手をつけていない状況。というのはシーズンになれば聴いてみたい気持ちになるでしょうが、どうやら実演に(人生に)疲れてしまっていて何も買う気持ちになれないでいる。


 シェークスピア曰く「疲れた人の心を慰め元気づけるために音楽はあるのではないか?」
 はたしてそうだろうか?「芸術鑑賞ほど疲労が蓄積するものを私は知らない。」