ミュンヘン その1 閲覧注意

 帰国してから一週間。
 実は酷く草臥れてしまっていた。

 現地には17日の遅い時間に到着。空港からSバーンに乗りミュンヘン中央駅へ。駅からホテル(King's Hotel Center )までは徒歩数分。普通のホテルでしたが、スタッフは皆親切でした。
 翌日は舞台観賞が無かったので多少の無理もきくかと考えダッハウ強制収容所跡地に。以前から気になっていて、ようやく実現の運びとなりました。
 Sバーンダッハウまで行き、そこからバスに乗り20分程度。
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 駅で下りた人の大半は同じ目的らしい。 
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 かつての悲劇が嘘のような静かな街並み。
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 どうも文章を書く気力ないので写真紹介中心になりそう。お許しください。
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 ここから広大な敷地へとつながる。
 見学に代金は掛からない。 
 施設入口にホームと線路の痕跡。
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 平日の午前中から多くの人。学校の社会科見学らしき子供たちも。
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 鉄の扉は復元されたもの。館内に当時のものが展示されていた。 
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 当時。
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 現在。
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 有料でドイツ語と英語のツアーや音声ガイドもあるけれど、集団になりたくなく、また感性を研ぎ澄ませたく、文字の説明だけで充分と考えた。
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 本当は撮影した全てを載せたいけれど、大量になるので以下抜粋。
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 ユダヤ人だけではない。反政府の知識人。思想とは無縁の普通の人。生まれた国と生まれた時代。不幸の連鎖。
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 星。
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 人体実験。
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 遺体の写真が続きます。
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 当時の門。 
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 金歯を探すドイツ兵士。
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 トイレに与えられた時間は10秒。
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 ベッド。
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 資料館から火葬場方面に移動。左右には収容棟が並んでいたとのこと。
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 22号棟に薔薇。
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 死者の家。
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 シャワーだからと言われガス室に送り込まれる。
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 裏の小道はメシアンの音楽みたいに沢山の小鳥が鳴き、驚くほどのポプラの種子が飛んでいた。
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 この辺りに遺灰が埋められたとのこと。
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 この日体力が残っていればお芝居を観たいと思っていたが、極度な疲労から具合が悪くなってしまいそのままホテルに戻りました。この後に舞台観賞なんかできるわけがない。何故か駅の売店で大量のミネラルウォーターを購入した。
 
 帰国して26(土)に以下の演奏会を聴いてきた。
 ヘンツェ:交響的侵略 「マラトンの墓の上で」
 ウド・ツィンマーマン:歌劇「白いバラ」 【演奏会形式/字幕付・日本初演
 指揮:飯森範親 ソプラノ:角田祐子 バリトンクリスティアン・ミードル 東京交響楽団
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 歌劇「白いバラ」は戦時中に非暴力と反ナチズムを訴えるミュンヘン大学の学生が校内にビラをまき逮捕監禁され、4日後に死刑宣告。その日の夕方にギロチン刑になった実話。東ドイツ時代のウド・ツィンマーマンが作曲した。登場人物はハンス・ ショルと妹のゾフィー。オペラには出てこないがもう一人の友人も処刑された。
 彼らは共産主義者でもなければ尖がったインテリでもなく、たぶん普通の学生。
 https://www.youtube.com/watch?v=5FEOC44lzR8 映画は全編観ることができる。ドイツ語じゃないな。
 偶然ミュンヘンつながりとなったのでチケット入手したのだけれど、強烈な衝撃を受けてしまった。
 喉の奥に鉛でも詰めこまれたような気分は涙も出やしない。
 美しい作品だとは思う。ヘンデルリナルド」の引用は感動的ですが、やり場の無い怒りに満ちた編曲。
 私の目に光を!(ゾフィー
 <私を泣かせてください Lascia ch'io pianga>
 Lascia ch'io pianga mia cruda sorte, e che sospiri la libertà. 
 Il duolo infranga queste ritorte de' miei martiri sol per pietà.
 泣くのをお許しください 過酷な運命に 自由への憧れをお許しください
 私の悲しみは、打ち続く受難にとざされた 憐れみさえも受けられない
 
 https://www.youtube.com/watch?v=SgNLzjAA1JE  ご参考までオペラ全曲動画。
 https://www.youtube.com/watch?v=SgFcvt6TK-E  こちらはケルンのもの。
 ドレスデン・ムジカ・ヴィーヴァ・アンサンブルのCDを買った。今日はこればかり聴いていた。

 演奏会、最初の「マラトンの墓の上で」は僕には心地悪い作品。ヘンツェは苦手かな。またサントリーのキンキンした音響がどうにもこうにも・・
 「白いバラ」の歌手が高評価だったことは聴衆の反応が証明していた。
 個人的にはソプラノ角田さんのゾフィーに違和感があった。言葉は明瞭で子音の美しさはドイツ詩人のようだったけれど、全てを知りつくした女性特有の妖艶さが感じられたのです。特に中音域にその性質がある。
 彼女はまだ学生で=「愛や智など己に欠けたもの吸収したい世代」と考えたとき、成長は必ずしも表現の助けにならない。我々も同じですが、一度失ったものは頑張っても過去。

 最後の写真は現場。日曜日だったので校内の展示は見れなかったが、正面玄関からガラス越しに確認することができました。アーチの上、あの3階からビラがまかれたのだと思う。
 ミュンヘンの続きは改めて。
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