バイエルンオペラE券F券が発売された。

 ミュンヘンオペラE券F券の発売時刻だった今朝10時に備えるために9時前には起床し、珈琲を飲みながら準備運動。ここまで本気になりチケットを取りたい気分になるのも最近無かったことである。
 東京文化会館は席が少ない分直に無くなるだろうから、まずはグルヴェローバ主演の「ロベルト・デヴェリュー」を優先させ、次はカウフマンの「ローエングリン」、その次は「ナクソス島のアリアドネ」で、発売先は「ぴあ」と「ローソン」に集中するだろうから、若干マイナーな「CNプレイガイド」に狙いを定めることに決めた。
 右手に携帯、左手に家電話で違反を承知で9時57分くらいから電話を掛け始めた。
 これまでの経験上ドイツのオペラハウスは比較的簡単に取れていたので、どうにかなると思っていたのですが電話が通じる気配すらないので、「ぴあ」「ローソン」も雑ぜながら頑張り続ける私。
 10分・・20分・・30分経過・・
 何度掛けても「大変に混み合っています・・お時間を改めて・・」のナレーションばかりで、それでも止めるわけにいかないし、ましてナレーションの指示に従い時間を改める馬鹿もいないと思う。
 E・F券といっても12,000円と19,000円もするのだから、仕事キャンセル続きの現在、特に切実な問題として少し先の未来を見つめるのは6月辺り相当粗食に徹しなければならない状況に陥りそうだから。
 点けたままのテレビからは繰り返し放射線漏れのニュースが流れ、節電に協力しなければいけない社会情勢を意識しながらも左手は固定のイエ電だから、リモコンまで手が届かない。
 NHKのアナウンサーは「放射線量が人体に影響は無いものの、神奈川県横須賀市茅ヶ崎市でも高い数値が観測され・・・」とかなんとか、冗談にならないのは鎌倉は2つの市の中間点だからそれなりの放射線が降り注いでいるということになる。
 40分経過・・・もう売り切れただろうな・・・それに原発事故で公演事態が無くなるかもしれない・・・お金に苦労している現在オペラに行く資格がないのかもしれない・・・もしかしたら昨日ハワイアンショップでカメハメハ像を買わなかったから大王の怒りをかったのかもしれない・・・ノストラダムスの恐怖の大王は今回の放射線かもしれない・・・などと超マイナス思考になりかけたとき・・・「ぴあ」につながった。
 東京文化の2演目は既に売り切れていたけれど、「ローエングリン」の平日E券が取れた。
 今回の電話では一席の予約しかできないから、聴きたがっていたパートナーの分も買わなければならなくて、もう一度電話したら直に「ローソン」に通じ同日のやはりE券を予約した。
 全ての作業が終了した時、既に一時間が経過していた。
 次は4月9日の一般発売があるけれど、やっぱり「ロベルト・デヴェリュー」は観てみたいな。
 面倒くさいから内容は書かないけれど、以前個人的にグルヴェローバさんにお世話になっていまして、お世話といっても、くだらないファン心理ではなく「人情」という語が最も適していると感じるのだけれど「泣けるいい話」があったのです。その時に一緒に撮影した写真は書斎のデスクに飾ってあります。
 気が向いたらそのうちブログで紹介してみますが、とりあえず今日出来ることは全部したからよしとする。
 一日の体力を午前中の多寡が一時間で全て使い果たしたが、結論私はやはりワグナーにしかもパルジファルの息子ローエングリンにより救済された。
 その時、友人からメール。
 「3演目とも買ってしまった。しかもローエングリンが3回、ロベルト・デヴェリューとナクソスはF券が取れたよ。今年はやっぱり買いやすかったね。・・・」
 私は愕然となり珈琲カップを落した。
 
 後で聞いたらeプラスに登録しておけばよかったみたい。
 アナログな考えで電話し続けた愚かな私。