ボリビアを飲みながら。

 仕事が夕方に終了しタキシード姿のまま、神保町をぶらぶら歩く。
 小宮山書店のガレージセールを覘くと、やたらと遠藤周作の作品ばかりが並んでいた。
 遠藤先生の本は所謂脱力したエッセイを含めれば20冊程度しか読んでいないから、知らない作品ばかりで気になりましたけれど、自宅には読みかけの本がまだあるから時期ではないと判断した。
 身体が疲れていたので珈琲が飲みたくなり、そのまま地下の「神田伯剌西爾」に入った。
 階段の途中に限定でボリビア珈琲があると書かれていて、そういえば飲んだことがないなと興味津々。
 カウンター席に座り未体験の珈琲を注文した。
 香りはモカ珈琲を薄くしたような印象でしたが、これが実にパンチのある美味しさだった。
 豆本来の味、ナッツのような濃くと癖になりそうな苦味、そして後から微かにやってくる爽やかな酸味は、高原の春を連想させる。
 「これは家でも飲みたい」と200グラムの豆も注文した。
 店を出て駿河台の坂を上がり、御茶ノ水ディスクユニオンでレコードを漁る。
 いつもの500円以下コーナーで、プレヴィン&パールマンメンデルスゾーンブルッフの協奏曲」これはEMIので、ジャケットの二人の写真がやたらと若くて長髪でアロハみたいな生地のシャツを着ているから昔のビートルズなんかみたい。
 それから国内盤ビクターレコードで、ミュンシュ指揮ボストン響の「イタリア・宗教改革
 そしてデッカのドイツ盤テルデックのプレヴィン&ルプーの「シューマングリーグの協奏曲」
 計3枚が今日の成果。
 ミュンシュとルプーはCDで持っているけれど、どうしてもレコードで聴いてみたくて買ってしまいました。
 先ほどボリビア珈琲を淹れました。
 明日はラ・フォル・ジュルネに行ってきます。
 なんと今年初めての演奏会です。
 生の音楽、その気になるまで時間が掛かりました。