代役?あくまで噂です。

 バイエルン国立歌劇場日本公演まであと4ヵ月ですが、ドイツ在住の方がコメントをくださいまして、恐ろしいことにグルヴェローバがキャンセルする可能性があるとのこと。
 これは大変!と思い、ネットであちらこちら調べましたがキャンセルの話題は出てこないから暫く様子をみようかなと、こればかりは慌てても仕方がない。
 しかし、バイエルンの公式HPを見ても「ロベルト・デヴェリュー」と書かれている。
 グルヴェローバのキャンセルイコール同作品の上演は有り得ないでしょうから、つまり他に歌える人がいないのですから、最悪の場合演目が変更になるのではなかろうか。
 そうなれば、私が聴くか聴かないかは作品によることになる。
 確か最初は「ドン・ジョバンニ」の予定で、それが「ロベルト・デヴェリュー」に変更になったと記憶しているのだけれど、またモーツァルトに戻るのかな? 
 だいたいこのオペラハウスはワグナーとR・シュトラウスモーツァルトの3本柱で成り立っているのだから、普通に考えればドニゼッティなんか持ってくることが異常なのかもしれない。
 どうせ変更になるならモーツァルトではなく「物凄い刺激的な作品」をやらないかなと夢想する。
 昨日N響アワーでリストをやっていて、数日前に告知をしましたが山路芳久さんが歌う「ファウスト交響曲」の最後のシーンを放送してくれて、昔テレビで観て以来で懐かしくて、改めて素晴しい歌手だったのだな・・・
 1987年12月16日の収録で、亡くなったのは1988年12月19日だからちょうど1年前だったんだ。
 87年は山路さんの最も素晴しい足跡の1年と個人的に思っていて兎に角大活躍なのですが、一番驚いたのが確か数日の間に「セビリヤの理髪師」アルマヴィーバを場所を変えてイタリア語とドイツ語で歌われていて、その数週間後に東京で日本語で歌っている・・信じられない。
 そして、あれは年が明けて88年の2月、小林研一郎さん指揮のヴェルディ「レクイエム」で声の具合がおかしくなった市原さんに代わって客席に偶々いた山路さんが私服のまま舞台に上げさせられ、あの感動的なアリアを歌ってくれた。
 その場に居合わせた私は何だか解らないけれど勇気を貰ったのかな、やたらと感激して興奮して、終演後人見記念講堂を出てから、三軒茶屋駅と逆さま方向に暫く歩いてしまったくらい混乱していた。
 キャンセルと代役の関係はもうどうすることもできないギリギリの決断。
 山路さんとグルヴェローバが一緒に舞台で演じている写真があって、バイエルンの「ナクソス島のアリアドネ」なんだけれど、「やっぱり、グルヴェローバが聴きたい!山路さんどうにかしてください!」
 神頼みに似た心境。