「あの子のカーネーション」

 沖縄慰霊の日で首相が「燃え尽きるまで・・」なんて話していましたがアイツは既に燃え尽きているとしか思えないし、流石に黒いネクタイしていましたがヌケヌケと幸薄い印象の男である。
 昨年も似たようなことを書いた記憶があって、確かめてみたら首相が失言したみたいで、何を誰がどのような失言だったか最早どうでもいいが、この一年で沖縄の何が変わったというのだろうか。
 全てにおいて悪い国家のサンプルみたい。
 伊集院先生の「あの子のカーネーション」300頁くらいのエッセイを20年振りに読み返した。
 食事も放棄しながら読み続けた。
 1988年の春から一年間「週間文春」に掲載されていた「二日酔い主義」から本として纏められたもの。
 最近とりつかれたように伊集院静ばかりですが、20年あまり本棚に収まったままとは思えないくらい中身を憶えていて、それでも懐かしいアルバムを密かに眺めるように心に吸収されていく。
 エッセイなんていうとお洒落な印象がありますが、先生はどうしようもない程に典型的不良大人で、お金が無かったみたいだけれど、酒とギャンブルの連鎖で日々人生が形成されてしまうから凄いと思う。
 しかし誰にでも好かれるように感じるのは人情と懐の(大きさ)か、それから私には文体に男の浪漫を感じる。
 いちいち真似できない行動様式ばかりですが、それでも慎ましやかに参考程度にはなる。
 そういえば仲人さんがお寿司屋さんの親方ご夫妻だったそうで、不覚にも今まで気がつかなかったのですが、お店はなんと「近所」にあって何時も通り過ぎている場所なのですから、懐が(温かい)時に行ってみると決めた。
 誰も連れて行かない、まずは独りのほうが気楽でいい。
 だいたい回転寿司なんか行っている場合ではない。