花いかだ

 断層の関係でまた地震がやってくるのだろうか。
 昨日の松本もそうですが東京都の真ん中、北から南にある大きな立川断層が気になります。
 あそこで震度7規模がきたらさぞかし大変な事になるだろうと思う。
 そういえば明日がサイトウキネン松本の発売日なのですが、小澤さんが登場するバルトークは競争率が高いでしょうが、それ以外は当日でもどうにかなりそうな感じがします。
 それでもチケット代金が安価なのは兎に角集客しなければならない運営サイドの事情があるのでしょう。
 気温と湿度、それから地震の影響もあるでしょうし、出演者と選曲が随分地味だから今年はキャンセルする人も多いのではないでしょうか。それで、私はどうするかというと、まだ内緒にしておきます。
 世間では節電が呼びかけられていますけれど、非難を受けても仕方が無いが、日中は「だからどうした」クーラーをがんがん掛けていた。
 それでも元々冷暖房はあまり好きではないのは、部屋を冷やして床に就くと朝になり喉が痛くなっていることが稀にあるから、今日みたいな仕事前日は気を使い絶対に酒は飲まず真夏でも珈琲はホットなのだ。
 伊集院静の「眠る鯉」を読み始めた。これまた短編集である。
 最初の「花いかだ」が面白く、余韻に浸りたい気持ちになり、今日はそれ以上は読まなかったのですが、調べてみると2002年の4月に「オール読物」に掲載されていたそうである。
 [ドロップアウトした初老の男性が、元勤務先顧問の奥様が危篤の知らせを聞き、遺言として告別式のコーディネイトを依頼される。なぜ私にこの話がと不思議に思うのだが、以前の職場の後輩に説得され仕事を引き受けることになる。その会社には若き魅力的な女性がいて葬儀の手伝いを懸命に勤めている。彼はどこかで似た人に会ったことがあるような気持ちを感じ取る。この女性の容姿の表現は詳しく書き込んであり、読み手はそこにエロスを感じるのだが、突然以前関係をもった女性の仕草に似ていると思い当たる。作中行間が見事に取り込まれていて話が飛躍し、構成が面白い。社葬は無事終了し、彼は帰路に着く。そして今回の仕事に対して心の中で辻褄が合わない箇所を静に分析し、結論を導き出す。しかしそれが正しい確証は無い。]
 答えが曖昧なのは美しい、本を閉じたあとでも暫くはそのことについて考えてしまうからか。
 手に入る伊集院文学は全て揃えようと決めた。
 文庫がいいのは気軽に読めるから。
 古書もいい、誰が前の所有者か想像できる。
 文学は単純に読めば解決するものでもない。
 本屋で手にした時、パラッとめくった最初の頁がドラマの幕開けなのです。
 ところでCDやら音楽が聴けなくなってしまいました。
 そんな時期も合っても良いと思う。