「愛の死」 W・マイヤー

 ワグナー楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「愛の死」。
 指揮ダニエル・バレンボイム、演出パトリス・シェロー、イゾルデはワルトラウト・マイヤー。(2007年12月ミラノスカラ座。)
 イタリアオペラばかり記事にしていたから消化不良で、刺激的な映像を組み入れたくなってしまった。
 私は元来イタリアオペラを殆ど聴くことはなく、普段からワグナーばかりが身近な存在なのですが、あらゆる作品群の中で「トリスタン・・」が最も素晴らしいオペラだと思っている。
 理由をくどくど説明する気分ではないのでご了承いただきたい。
 時間の許す限り、美しい音楽の中に溺れたい。
 意識の無い至上の快楽は存在するのです。
 シェローとバレンボイムが手を握り、マイヤーが加われば何かが起こる。
 「愛の死」での流血、これは演出ではありません。
 奇跡的で意義深く美しい「事故」である。
 ミラノの聴衆よ、君たちは拍手が早すぎる。