Rシュトラウス「Morgen」 クリスティーネ・シェーファー

 
 「私のクリスティーネ」第2弾である。
 動画(音声のみですが)がブロックされたのでyoutubeで直接お聴きください。
 いつごろに録音されたのか調べていないのですが、アッバード指揮ベルリンフィルが伴奏のようである。
 先日ブログ仲間ご~けんさんから「シェーファーが離婚しているみたいです。」と教えていただき、最初は自己主張の強いタイプの女性で稀有な才能の歌手なのだし、ご主人も映画監督されていて自分の世界に没入されるのだから、それぞれの道を歩む選択をされたのだろうと想像していたら、なんと死別だと知り衝撃を受けてしまった。
 しかも40歳でご主人は亡くなり、死因は現段階で調べようがないけれど、翌年シェーファーは出産した。
 共作はDVDで購入可能な「詩人の恋&月に憑かれたピエロ」で刺激的で芸術的完成度の高いもの。
 シェーファーは多くサイトで観られるので、前回の「バッハBWV147のカンタータ」のような作品だけではなくリートやオペラもあるし、今回はベルクかメシアンのエロティックで超過激な演出を紹介しようと思いましたが、昨日同じくブログ仲間のふじジョンさんから「Rシュトラウスなんかいいんでしょうね・・」とコメントを頂戴し気持ちが変化した。オペラは次回にしたい。
 そこで「モルゲン」4つの歌作品27より・・ちょうど朝であることも起因してなんとなく具合が良いように感じた。
 R・シュトラウスの名作なのですが、どのような気持ちで作曲されたのかなとずっと考えていた作品。
 作詞はジョン・ヘンリー・マッケイで、ドイツ語から勝手に翻訳したものが以下であるが、気になるのはMorgenを「朝」と解釈するか「明日」とするかなのですが、両方が存在する事実を踏まえて「明日」を選択した。
 
 「明日、太陽は再び輝くでしょう
 そして私の歩む道を照らしてくださるでしょう
 あの人と再会し、幸せになれるでしょう
 光ある、この地上で、青い波の打ち寄せる浜辺に
 私たちは、ゆっくりと降りてゆき
 黙ったまま見つめあうでしょう
 言葉交わさず、喜びが私たちを包むでしょう・・」
 
 ご主人が他界される前の録音なのかその後の録音なのか、調べようかと思いましたが、どちらでも構わない。
 音楽にしても詩にしても容易く時空を超えるのだし、シェーファーが歌った絶対的な価値観だけが意義深いのです。
 この曲は故カール・べームの奥様テアが死の床で口ずさみ、消えゆくように昇天したと本で知った。
 シェーファーの歌唱に様々な感想があると思うのですが、私は何故か胸が苦しくなるほどの悲しみを覚える。
 やはり「私のクリスティーネである。」
 ジェシー・ノーマンは誰も真似できない陰影のある深い表現。
 グルベローヴァは美しいが、リートは苦手なのかな。
 ルチア・ポップの優しく美しい表現は人柄の表れなのか。
 バーバラ・ボニーは最も素晴らしいが、表現が多少大袈裟に聴こえる。
 すべて個人的な感想です。