スポーツ解説とペーター・ホフマン

 サッカークラブ対抗の決勝でバルセロナとサントスの選手が入場するシーンを見ていて、なんとなく最初からバルセロナが勝つなと思って、自信にあふれた表情と風格が理由なのだけれど、始まったら実際に随分と力の差があって一方的な展開だった。
 サッカーはわりと面白いので大きな試合の場合テレビ観戦するのですが、昔から全体的に解説者の質が低いように感じられて嫌になり、途中でチャンネルを変えたり関係ない事を始めたりすることが多い。
 事実今日もそうだった。
 知りたい情報がなんなのか自分でも解っていないのだけれど、解説者のテンションが異常に高かったり、人によっては言葉の暴力に近いような愚痴だったりが多いので気分が悪くなる。
 馬鹿らしくて例も出したくないから、これ以上考えないことにするけれど、別に私は素人に解りやすい内容を求めているのではなく、難しい専門的な会話が多くても構わないから論理的な組み立てで質の高い番組を提供してほしいと少し思っているだけ。
 単純な話、文化人を気取っている族に有りがちな知性の欠落にうんざりしていて、選手やサポーターの頑張りとは関係ない。
 最近他のスポーツだけれど印象に残る発言をした人が2人いた。
 野球の王貞治さんと中日の監督だった落合さんの言葉で、2人とも現在は解説者ではないけれど、ちょっとばかり驚いた。
 落合さんは普段はあんまり観ない日テレのスポーツ番組で江川卓さんと対談で、今シーズンを振り返り監督として「いつ何を考えていたか」を語らせた内容。
 落合さんは選手のコンディションや結果を話すのではなく、例えばヤクルトが首位独走の時に巨人や阪神とどう戦えば良いのか考える時に、敵のチームの立場になって自分のチーム事情を観察する。
 また「9月に入り最下位の横浜との試合が1試合しか残っていなくてラッキーだった。」と言葉にした。
 普通は弱いチームと多く戦える場合は勝ち星の計算ができるように思うのだけれど、「横浜戦は勝たなければいけないから逆にプレッシャーだったし、現実はそんなに甘くはない。」そんな会話だった。
 王さんは、読売グループと巨人軍元オーナーの内紛に対し、「勝たないから、結果を残せないから出てくる。」というような言葉で切り捨てた。
 これはまったくその通りの話なのだけれど、私は簡単な答えに気がつかないでニュースを見て事実だけを追いかけていたから目から鱗だった。
 
 音楽は1年前に他界したペーター・ホフマンのポピュラーソング。
 ワグナーの動画もそのうち紹介したいのですが、「Say Goodbye To Hollywood」でビリー・ジョエルのヒットソングだ。
 ホフマンが歌うと当然趣も異なりますが、奇妙に感動的である。