バーバラ・ボニー「別世界への最後の扉を開くキーを見つける・・」

 バーバラ・ボニーが指導する、プッチー二『ボエーム』第4幕から「ロドルフォとマルチェルロの二重唱」のバリトンパートのレッスン風景。
 感動的!
 これこそ、ミューズが微笑んだ瞬間。
 ああ、音楽だな。
 男2人が互いの別れた恋人を思いながら歌うシーンで、第4幕前半の最も美しい旋律が訪れる。
 実は恥ずかしながら以前同じパートを練習していたことがあるので、CDを聴いていてもこの箇所にくるとバリトンの音しか聞こえてこない奇妙な緊張感に包まれる。
 私はテノールになりたかったが、悔しいけれどバリトンなのです。
 もう10年位前ですが、ちゃんと声楽の先生に習っていて、3回発表会に出たのだけれど最後の時に歌ったのがこの曲だった。(テノールパートは年下だけれど合唱経験のある人。)
 確かMDに録音してあって、誰にも聴かせていないけれど捨てるわけないからどこかにあるはず。
 セラフィン指揮デッカのCDが一番好きでベルゴンティがロドルフォ、バスティアニーニがマルチェルロを歌っている。
 だから発表会の前は、バスティアニーニを繰り返し聴きながらイメージトレーニングしていたと思い出した。
 カラヤン盤もありますがたぶん15年くらい聴いていないと思う。
 簡単な歌に感じるけれどやってみたらとても大変で、1回でもブレスを飛ばしたら呼吸困難で最悪の結果になるから兎に角一生懸命覚えたのです。
 他にはトスティやシューマン。Rシュトラウスは「献身」を習って、あとは「ラマンチャの男」の「見果てぬ夢」を日本語で歌ったのでした。
 先生も忙しくなったから今は習っていないし歌っていない。
 あのころから私は酷い歌手の悲惨なアリアに遭遇してもブーイングしなくなった。
 
 この番組は公共放送で少し前にやっていたのですが、全部見ていなかったのでボエームは初めてでした。
 いつまでyoutubeで見られるか?です。
 他にも「冷たき手を」でハイC出させてしまったり、ボニーは素晴らしい。
 しかも美しき言葉で生徒を称える。