君の微笑み バスティアニーニ
以前からバスティアニーニ(1922年9月~1967年1月)の記事を書きたいと思っていた。
理屈抜きで私が最も敬愛している歌手だけれど、時代も異なるから生で聴いたことなど勿論ありません。
あまりに偉大な存在に思えて手を出せないでいたのです。
NHKでは主に街のコントラーダを紹介していてた。
たぶん日本語にすると地区とか町内会。
コントラーダという制度は中世から継続している伝統的なもので、住民同士の交流の場として地区ごとに集会所を持ち、市民が平等に意見交換ができる機能を備えている。
毎週食事会も行われていて、一度に100人~200人集まるらしい。
簡単に言えば生活に根ざした社交の場なのですが、大切なことは誰もがこの制度を誇らしく思い、先祖を敬い、今自分が何をするべきなのか個々の役割を考えている点かなと、番組を見ながら考えた。
「夫や妻は変えられてもコントラーダは変えられない。」と誰かが言葉にしていた。
日本の近所付きあいとは全く異なるので比較しようがないと今回よく解ったのですが、前にバスティアニーニの伝記を読んでいて、そこには彼がシエナを愛しコントラーダを心の支えにしていたことが書かれていて、その時は簡単な知識として制度の存在を知ったけれど、やっぱり映像の力は大きくて、理解できないままでいた感覚をようやく獲得した印象です。
これで将来もし行くようなことがあって、現地の職人さんなんかと交流できたらもっと解るのかなと思う。
バスティアニーニは優勝の経験があって、人生の最も喜びを感じた時だったそうです。
ヴェルディ「トロヴァトーレ」からルーナ伯爵のアリア「君の微笑み」で、東京文化会館での動画もyoutubeで観ることができるのですが、あの時は既に癌に侵されていて観るのが辛い気分になるから、とりあえず普通の録音のにしました。
バスティアニーニについては徐々に紹介していきたいと思います。
関係ない話ですが、近所の長谷寺で節分の豆まきしていたので見に行ってきました。
これも地域のお祭りみたいなものでしょうが、ベタな感じで、でも良いことがあるかもしれません。