レコード・1&2 ベーレンスとプラハ四重奏団

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 ちょいと写真を載せてみました。
 ヒルデガルト・ベーレンスのレコードである。
 〈REGENDARY RECORDINGS〉という知らないレーベルで、発見した時に躊躇したのですが、(ちなみに御茶ノ水ディスクユニオン)聴いたことがないライヴ音源のアリア集だったから欲しくなってしまい購入した。
 
 A面  ワグナー 楽劇「ワルキューレ」から 「第1幕後半の2重唱」 
      ジークムントがジェームス・キング 指揮サヴァリッシュ 1977の録音
 B面  ワグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」から 「ゼンタのバラード」 指揮Erich Widl 1977年
      ワグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」から 「愛の死」 指揮サヴァリッシュ 1980年
     モーツァルト 歌劇「コシ ファン トゥッテ」 から「Come Scoglio・・」 指揮ドホナーニ 1976年
     R・シュトラウス 歌劇「ナクソス島のアリアドネ」から 「Es gibt ein Reich・・」 指揮ベーム 1979年
 
 全てがライヴパフォーマンスなのですが、オーケストラの記載が無い・・たぶんバイエルンとウィーンでしょう。
 それで録音状態が吃驚するほど酷い内容で、一瞬カートリッジかアンプが壊れたのかと勘違いした。
 ここまで酷い音だとオーケストラがどこだ?とか考えるだけ馬鹿らしくなってくるし、「愛の死」に対する「ブラヴォー」がやたら近くに感じるから、盗み録り以外のなにものでもない。
 それでも我慢しながら最後まで聴いてみた。
 ジークリンデなんか感動的だ。
 しかし、イゾルデの次にコシっていうのは物凄い違和感。
 このレコードが非正規盤なのか、ちゃんとした会社から発売されたのか正確には解らないけれど、大好きなベーレンスであることは間違いない。
 偉大なソプラノ。
 まさか日本で亡くなるとは、あれはショックなニュースでした。
 ミュンヘンの楽屋口で一緒に撮影してくれた写真は宝物。
 優しい笑顔でした。
 あの日は寒くて、真冬ドイツの情景とワグナーが重なる。
 なんてことを思い出すと、(非正規盤だったとしても)貴重な買い物ができたのかもしれません。
 レコードは、735円の10%割引だったかな。
 
 
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 モーツァルト弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 〈春〉 K387」&「弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K428」
 演奏はプラハ四重奏団である。
 日本コロンビア株式会社の〈スプラフォン室内楽コレクション第8弾〉だそうで、つまりちゃんとした会社から1981年に発売されたもの。(1,800円と記載されている。)
 それでこのレコードは、昨年サイトウキネン松本で最初に小澤征爾さんがキャンセルした翌日、ホテルをチェックアウトした失意の小生は重い荷物を引きずりながら松本駅に向かって歩いていたとき、途中に古本屋さんがあって其処で売られていたものである。
 お店の外の籠に、炎天下の陽射しの中、埃をかぶりながら何枚も纏まって置かれていて・・全部100円・・と書かれていた。
 数枚手に取り店主に持っていったら、「籠の中のは傷が付いているかもしれませんから検盤してください。」と言ってきた。
 私はレコードを出して表面を観察しながら「大丈夫みたいです。」と汗を拭いた。
 松本は二泊だったのですが、帰路に着く最終日だけとても暑かった。
 だから、14番と16番は真夏の音楽になってしまった。
 14番は第二楽章がメヌエットで、通例のかたちをとらない逆転した楽章構成なのだけれど、独特の緊張感が支配していて半音階的な動きの強弱が印象的。
 痛いような陽射しとウエットティッシュで何度拭いてもざらついているような埃っぽい感じを思い出させて、傷は無かったけれど聴くたびに針が飛ぶような錯覚を覚えるのは何故だろう。
 ジャケットに4人のサインらしき書き込みがありますが、たぶん本物だと思います。
 素晴らしい演奏です。
 
 どうやら、レコードには季節感がある。