シューマン「レクイエム作品90」 シェーファー
Schumann - sechs gedichte und requiem, Op. 90 /5-6-7 [v: Christine Schafer - pf: Graham Johnson]
シューマン「レーナウによる6つの詩とレクイエム」作品90。
これは、その5曲目~7曲目。
youtubeでシェーファーを検索するとそれなりに幾つか聴けるのですが、調子の良くないときの歌唱だったり、オペラの場合だと奇妙な演出でモーツァルトだったりするから、真実を伝えにくい気がして紹介することを躊躇していた。
シェーファーのモーツァルトは素晴らしいのですが、以前インタヴューで「モーツァルトには全く感動しない。」と平気に発言していたから、僕としても別の音楽にしておいたほうがいいような印象を持ってしまい、あれこれと探してみた。
今回の東京公演と同じようなプログラムのライヴ音源があったから順番に聴いてみたのですが、明らかに先日の王子ホールの方が調子が良かったのだなと確認した気分。
そう、自宅で聴く音楽なんかどちらにしても確認程度のものなのだ。
この歌曲の内容は以前記事にした記憶があるので詳しくは説明しませんが、レーナウの6つの詩にシューマンが作曲して、普通はそこで完成とするのでしょうが、何故か7曲目に作者不詳のカトリック聖歌を引用している。
とても美しい歌詞だ。(興味のある人は自分で調べてください。)
つまり合計7曲で作品90は成立しているということ。
音楽は非常に暗い。
闇の中で蝋燭を見つめている気分になる。
内なる世界に入れるし、そこが気に入っている。
シューマンの中で一番好きな曲かもしれない。
特に最後の「レクイエム」は最も魅力的に感じていてる。
楽譜がどこかにあるはずで探しているのですが行方不明。
以前歌を習っていた時に無謀にも「これ歌いたい。」と先生に楽譜を見せたら、「いつも変なものばかり歌いたがるな。でも駄目だこれは。ピアノが難しくて弾けない。」と断られた。
今考えると歌える確証の無い難しい音楽で、馬鹿な挑戦をしなくて良かったのかもしれないというか絶対に歌えないと思う。
シェーファーは発声に癖が無いので言葉が明瞭で好ましい。
美しい声質。
今頃はドイツに向かっていて空の上だろうか。
また会いたい。また聴きたい。やっぱり会いたい。
切抜きの写真を額に入れてシーメンスのコードで留めたら、変態な感じになりました。
それを僕の携帯で撮影したので哀れな印象。
しかし、この人どうしてもオペラ歌手に見えない。
魅力的だ。