毎夜、独り「バイロイト音楽祭」ラジオに夢中!

 FMでバイロイト音楽祭を放送している。
 年末になると馬鹿馬鹿しいテレビばかりになるから、ラジオでワグナーが聴けることが非常にありがたい。
 しかし、昨日の「さまよえるオランダ人」は、樋口裕一氏の言葉を信じれば「名演に感動!」だったけれど、僕にはどうしても素直に感情移入できない気持ちの悪い音楽だった。
 樋口氏は、オランダ人役のヨン・サミュエル、(当初予定されていた二キーチンにカギ十字のタトゥーがあったとかで降ろされて急な代役。)ゼンタ役のピエチョンカ、(昨年のバイエルンオペラ日本公演の「アリアドネ」に出演していた人。)をとても褒めていらして、個人的には声の小さな歌に感じられ面白くないけれど生で鑑賞できれば感動できたのかもしれないなと想像しながら、最終的にはティーレマンをあまりに褒めまくるから嫌になってしまった。
 どうしてあの指揮者は極端に音楽が早くなったり遅くなったり休止符が普通の感覚より長かったり、ああいうのが好きなのかな?ティーレマンは人気者ですから評価する人が多いとは思いますし、たぶん僕の感性が鈍いのだろうけれど、団員の誰かがフライングしそうなくらい奇妙に揺れるテンポで、3幕の合唱なんか実際に音楽が揃っていなかったりするから笑ってしまった。つまりあんまり良い演奏じゃないと思う。そういえば「オランダ人」の演出家は1981年生まれだそうで、若い世代にチャンスが提供されるスタンスは好ましいと感じられた。
 
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 それで今日はシュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ
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 「これ好きだ!」と思いながら聴いている。同時にマルターラーの演出にも惹かれているから、息苦しくなりそうな船室みたいな閉鎖的世界の住人になりたいとか考えてしまう。イゾルデのテオリンは何を歌っているのか分かんないような発声だけれど、暗黒のワグナー世界に導かれる雰囲気ですから僕はあなたを受け入れたい。スミスは見た感じがテキサス辺りの民間企業の中間管理職で良識ある典型的なマイホームパパみたいだけれど、気がつけばバイロイトに欠かせないテノールになってしまった。継続は力なり。
 マルターラーのプロダクションは今年でお仕舞い。
 次回の「トリスタン」は2015年とのこと。演出カタリーナ・ワグナー、指揮はティーレマン、物議を醸しだす事だけは間違いないと思われます。
 
 実はかなりボリュームをデカクしながら鑑賞している。
 独り祝祭への道を夢見る。