湘南の職人
年に一度の予防注射のため猫たちを病院に連れて行きました。
普段車を運転しない僕は、いつもの激安「ニコニコレンタカー」である。
年上のピートとアンバーの2匹は臆病なのでカートに入れる作業が大変で、大きな声で「びゃーびゃー」鳴くから可哀そうだけれど仕方がない。マタタビと鰹節を餌にして無理やりカートに閉じ込める。ブルブルしながら好奇心旺盛なチビは自分からカートに入るくらいで、こういうときはどうにでもなる。
写真は病院待合室で注射の順番を待つ哀れな3匹である。
病院は戸塚にあって、人間用よりも確実に立派な総合病院みたいな雰囲気。
しかし毎回そうなのだけれど、やたら僕の周囲に他人の患者たち(小動物)が集まってきて話しかけてくる。この現象は普段近所を散歩していても同じで、以前ブログに書いたかもしれないが、ある時誰かの視線を感じて振り返ったら、犬と猫とリスが並んでこっちを見ていたことがあった。
とにかくピートとアンバーとチビにとっての一大イベントは無事終了した。
自動車があるというのは便利なもの。猫たちを自宅に送り届けてから茅ヶ崎までランチを食べに出動。途中海岸沿いは風が強く、普段波乗り人だらけの稲村ガ崎でさえ誰もいない状況。カーステレオでグールドの「マイスタージンガー」を爆音にして富士山美しき。
湘南の海の幸なら絶対に○○。(人に教えたくないので店名は書きたくない。)鯵づくし定食。これ以上の贅沢はないように思ってしまう。鮮度抜群、ああ美味しい。
大きな声で「ごちそうさま!」 板前さんが厨房の中から顔を出し笑顔で「ありがとうございます!」
そのあと、ちょっとした仕事がらみで名店フレンチシェフを訪ね、お茶しながら雑談に花が咲く。
「鯵づくし食べてきました。」 「僕も行くたびに、今日は違うのを食べようかなと思いつつ、いつも鯵づくしです。」
シェフは仕事に厳しく怒鳴ってばかり。それでいて若手コックさんの肉料理の焼き方が微妙な加減だった場合、客席まで出てきて、「申し訳ありません。作り直しますので少しお待ちいただけますでしょうか。」と頭を下げる。権威あるオーギュスト・エスコフィエ協会の案内状の中身を確認しないで「馬鹿か」とゴミ箱に捨てる。
以前仕事で鉄人らしき中華のWシェフにメニュー紹介してもらうときに、「自分は凄いシェフだから、お客から大きな拍手が起こるように司会しろ・・」みたいなことを注文され、「ふざけんなこのやろう」で喧嘩してしまった。不覚にも若気のなんとか。
これ見よがしに時代錯誤も甚だしい高級食材ばかり、もう見たくない。うんざり。
番組終了に大きな拍手を送りたい。
そういえばフジの月9「ビブリア古書・・」なんとか、正確なドラマのタイトルが思い出せないけれど、原作は小説?アニメ的挿絵らしく鎌倉の古本屋の美人店主が事件を解決させるお話。僕の知る限り鎌倉の古書店に美人店主は一人もいない。普通のオバサンかオジサンばかりで時々幸薄そうなアルバイトらしき人。本は比較的高額。
この日の最後はドイツ菓子。この店も車の時だけの贅沢。片瀬山の住宅街に女性のマイスターがいて、僕好みの焼き菓子が購入できるのです。
藤沢の焙煎士によるマンデリンを濃く淹れて、最高に贅沢な時間はR・シュトラウスと共に。
以上、湘南の職(食)人のお話でした。
猫たちはみな元気。