エクサンプロヴァンス「エレクトラ」ラジオ放送、疲労のあまり聴かず。

 7月16日(日本は既に17日深夜)
 そろそろエクサンプロヴァンスでは「エレクトラ」が開演するから「ラジオを聴かなければ・・」と思っていたけれど、ベットに倒れこみいつものように奇妙な夢に魘され昼まで寝てしまった。(自分が時速30キロ程度のスピードで空中を飛んでいる夢。高さは人の背丈くらいで油断をすると身体が地面を擦るという居心地の悪い飛行。)
 数日間忙しくしていたし、精神的に面倒な腹立たしい出来事もあったりして疲労していたのだ。
 サロネンシュトラウスですから興味はありましたが、せっかくシェロー演出なのに配信は音声だけとは残念で、だからどうしても聴かなければいけないものでもなかったかもしれない。
 僕にとってオペラとは「観ながら聴くもの」ではなく「聴きながら観るもの」だと思っている。
 だいたい厚木と西荻窪の用事を優先させてプロヴァンスに行かなかった自分に全ての責任があるのです。しかも新宿駅の人の多さが原因だと思うのだけれど頭痛がしてきてしまい、湘南ライナーグリーン車に乗ったら、恵比寿駅で僕の隣に座った紳士が夕刊フジを読みながら氷結を飲み、挙句の果てに臭いの強いサキイカを食べはじめたもんだから気持ちが悪くなってしまった。紳士は東戸塚で下車したが残り香は暫く続いた。
 (コメントいただいたM.F.さん情報。日本の20日深夜?朝?から61日間観れるそうです。)
 
 プロダクションを知ったとき、サロネンがシェローに口説かれてお尻を貸すなんてことになったら大変と、どうでもいい心配をしていた。実は2月にサントリーP席からサロネン指揮のベートーヴェン「シュテファン王序曲」を聴きながら「この人は誰かに似ているな?」と考えていて(つまらない音楽のときは馬鹿らしい想像力が働く。)それは役者のアングラート等のシェロー塾のメンバーの醸し出すオーラに近い雰囲気だと気がついて、例えば映画に出ていても違和感がないような感じがするほど。つまり絶対にサロネンはシェロー好みの男性だと思う。
 サロネンの音楽的説明を求められると言葉選びが難しいのですが、CDなんかの場合はサラッとしていて無駄が削がれた感じがするけれど、実演で聴くとかなり工夫しながら計算された音の構築がはっきりと見えてきて、世間が言う評価とは対極に思えてくる。ふと思ったのは「クール・サロネン」発言する人はもしかしたらCDしか聴いていないのではないだろうか。
 それと誤解が生じると面倒なのですが、政治やら社会的な思想形態(イデオロギー?)とほどよく無縁で(全く無縁か解らないけれど)寧ろ構造主義的な世界に導かれるように僕には聴こえてきた。そう考えるとシェローも「この人となら・・」と共感してくるような気がする。つまり方法論の問題。個人的妄想でしょうが、ラッヘンマン聴いたときも似たような感覚になったと思いだすし、特に昔のブーレーズはそうだと思う。作曲家サロネンをもっと知れば色々考察できるのでしょうが現在そこまでの気力は無い。なんてことを考えるとシェローと共演した指揮者ではバレンボイムだけ所属が違うような気がしてきた。ワーグナー得意だし好きな指揮者だから問題無いのですが、どうして沢山共演してきたのか少しばかり疑問に感じた。
 話が飛びましたが、いずれにしてもシェロー作品には美しき男が不可欠である。
 HPでキャストを細かく見てみれば、ドナルド・マッキンタイアー(まだ歌っていたんだ。)フランツ・マツーラ(まだ生きていたんだ。)が出演しているから驚いてしまった。
 現地で観たかった。時間は沢山あるがお金が無い。それが問題。
 なんだか悲しいのはいつまで経っても日本が二期会と藤原中心で廻っている現実に嫌気がさしてくる。もう藤原の「椿姫」なんか必要ないでしょう。そういえば新国立劇場の会員だったけれど、無駄に感じてアトレカードの更新するのをやめてしまった。あんな劇場は僕にとってもうどうでもいい。「オペラハウスを破壊しろ!」と発言して拘束されたのはブーレーズだったかな。
 
 
 
 
 
 「エレクトラ」に先立ち上演された「リゴレット」は動画が観れた。あんまり面白くないので途中でオフした。
 
 
 
 
 関係ないお話ですが、先日ヴェローナオペラ「アイーダ」日本公演が発売されまして、売れているのかなと興味半分で調べてみたら、全種類の席がまだ沢山あるみたいで「やっぱり。」と思いました。
 パリの新製作アルセストをキャンセルし、東京ドームでラダメスを歌うアラーニャの最近を知りたくなりyoutubueで探したら想像を超えた驚愕の動画が出てきたので、ここにご紹介させていただきます。
 ROBERTO ALAGNA - LITTLE ITALY - That's life (Frank Sinatra) - PAU le 28 f辿vr 2013
 マイクの使い方が巧み冗談抜きで歌が上手い。アラーニャはこういう世界で生きていったほうがいいと思いました。