家庭での美味しい水出しコーヒー作り方

 水出しコーヒーを自宅で作れるように実験を続けてまいりまして、数回の失敗を重ねながらも、どうにかコツを掴んできたようで、100パーセントの満足ではありませんが、そこいらの喫茶店よりは遥かにまともな旨味を抽出できるようになってきました。豆の焙煎具合に関してはフレンチローストクラスの、冷蔵庫から出してしまえば豆の表面に直ぐに油分が浮いてくるような濃いものが理想的で、幾つか試しましたが教科書のままマンデリンが相応しいと感じました。
 問題は機械なのですが、高価な水出し用抽出機はとても買えないので、どうにかしてペットボトルで代用できないかと考えて工作してみたのです。
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 写真では分かりづらいかと思いますが構造は単純で、とっての付いたビーカーはキッチンで使用していた計量カップ。メモリが印刷されているのでとても便利。金具は名古屋のマツヤコーヒー店で販売されているペーパーフィルター用のそれ。
 適当に弄っていたらペットボトルの蓋と金具の円状下の部分の大きさが偶然にもぴったりとはまったので、蓋にカッターを使用し大きな穴を開け、残ったネジ部分だけ下からボトルに固定した。
 逆さまにしたペットボトルはやはりカッターを使用し、上の部分を完全に切り取る。ボトルの中に茶こしの細かな網目の部分だけを鋏で切り取り奥に装着する。
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 金網部分に焼き斑のない粉末状の豆を多めに投じ、80℃程度のお湯を全体に浸透するようにポタポタと時間をかけて注ぎ、同時に豆から放出されるガスを徐々に抜いていく。わりと神経を必要とする時間。お湯の量は豆が湿度を吸収する程度でストップ。
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 ペットボトルは二つ用意しておいて、こちらは半分程度にカットしておいて、スーパーなので販売されている美味しい氷を入れておく。ちなみに氷容器の蓋部分中央に針等を使い一箇所小さな穴を開けておく。厳密には1秒に一滴程度ごとに溶け出した氷が豆に落ちていく構造に調整することが望ましいとのこと。良い氷は溶けにくいので、まだ試行錯誤している状況です。
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 つまり仕込みが完成するとこのような形になるのです。豆の一番上にキッチンペーパーやペーパーフィルターを2cm程度の大きさにカットしてのせておくと、溶け出した水分が一箇所に集中して落ちずに多少分散するので旨味成分が均等に吸収されていくと考えました。
 数時間後、雑味のない濃厚な一杯が完成。溜り醤油のような黒。恐る恐る試飲したところ、自宅で淹れたと思えないブランデーのような香りとほのかな甘みを含んだダッチコーヒーが完成。美味しい!
 大袈裟かと思いますが、銀座ランブルに近づけた印象。
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 冷蔵庫の中でも氷は溶けるので、寝る前に仕込んで置けば翌朝には冷たくて美味しく飲むことができそう。
 しかし、アイスが理想的ともいえないのは、常温の方が好ましく感じる人がいると思うのです。
 
 ネットラジオで、ハーディング指揮のスウェーデン放送OのRシュトラウスプログラムを鑑賞しながら、コーヒーを楽しみました。「薔薇の騎士・組曲」が最も素晴らしかった。ちょっとした旋律にオペラ舞台を思いだす。ワルツではオックス男爵の満足気な笑顔と詐欺師の企み。終幕の三重唱の出だし「マリーテレーズ」は、当惑するオクタヴィアンと元帥夫人の哀しみでしょうが、実際にはそんな軽いものではなく、大人の女性の潔さが魅力的。
 シュトラウスの音楽はいつだって美しく、聴き手は束の間実生活での悩みから開放される。
 これは慰めの音楽。
 かといってハーディングのアプローチは退廃的な美学とは対極なのだろう。そう簡単には枯れたりしない若々しく瑞々しく、太陽の光を全身で受けとめているかのような、生命力溢れる薔薇。
 
 松本では小澤征爾氏の復活。天皇陛下美智子様のご鑑賞。
 アルプスの雪解け水、松本の井戸水が懐かしい。