Konos珈琲ミル(その2)

 いつも豆を買っているのは藤沢の「豆○」
 風変わりな性格のオーナーHさんに最近可愛い彼女ができて、とりあえず幸せそうな雰囲気だから良かったと思っている。僕が最初に彼女を紹介されたときに、「この人が鎌倉の堀内さんだよ。○年前の冬に初めて来てくれて、その時はコスタリカ豆のピーベリーを200グラム買ってくれたんだ。」 それに対して彼女は「えー最初からピーベリーなんて凄~い」 珈琲を知らない人にとっては意味不明な会話でしょうが、だいたいこの店に豆を求めてやってくる人は相当に変わっている人が多く、仲の良いゲ○のカップル、和服姿がお似合いな○○の先生、漫○家、S○の女王様、ダッチ珈琲をメニューに入れている見た目怖い雰囲気の居○屋経営者、他店の自家焙煎店で珈琲が不味いと喧嘩した女性、自転車でやってくるチェ○奏者、謎の韓○人等々。つまりそういう職業やら性質が世の中にあるらしいとは知りつつも、なかなか会えないタイプの人々が集うコミューンのような店舗。僕は普通人間の代表かと思っているけれど「変わったナレーターがいる。」とか言われているかもしれない。
 それに店主自身が最も怪しい性格だから、彼に近づく女性なんか絶対にいないだろうと思っていたのに、世の中捨てたもんじゃないのは、珈琲豆を追求する美人が出現するのだから「生まれてきて良かった。」である。
 前置きが長くなりましたが、彼がある日Konosは素晴らしいと語り始めた。それから当時は聞いたこともなかった「コーノ」の響きが気になる存在として脳の片隅に保存されていたのだ。
 konosの人気商品で通称ダルマと呼ばれている赤と白のそのまんまダルマのような形のミルがある。今もヤフオクで幾つか出品されているけれど、いつだったか?入札50人以上で50,000円前後で取引されていた現実を鑑み、たかが豆を挽く道具の為にオペラS席並の金額に取り付かれた駆け引きをクレイジーだと思っていた。その反面、実際に試してみたい可笑しな願望は芽生えた。現在はだいぶ金額的にも落ち着いたように思う。15,000円支払える覚悟があれば落札できるような気がする。ただし中古だから刃が錆びていたりジャンクも多いのではないかと想像する。それと同じブランドでも刃の種類が異なるものも存在するから注意が必要。
 
 http://www.coffee-syphon.co.jp    ←珈琲サイフォン株式会社 手動ミル今は昔、円錐ドリッパー素晴らしい。
 いつも美味しい豆を提供してくださる焙煎士を信頼しているし、僕は昔から知識のない世界については専門家の真似をする特技(単純な話、新しい分野を学ぶとき直ぐに1年生になれる。)を持っているから、密かにKonosを探し始めたのです。始めは東京・神奈川の美味しい喫茶店に出向いては、昭和な雰囲気のオーナーに「おすすめのミルを教えてください。」と質問した。そしたら大半の専門家が「それはコーノです。」やっぱりと思った。
 あちこち検索していると、価値を知らない骨董屋でKonosを発見して1,500円だかで入手したラッキーな人もいる。
 実は先月、鎌倉駅近くのカフェのオーナーから「イタリアのFiscoのミルが素晴らしいですよ。プジョーやザッセンハウスより遥かに凄い。」と教えていただいた。実はこのブランドも消えそうな雰囲気で、刃を作っていた専門会社が倒産したとかで数が殆どないみたい。国内では新宿の山本珈琲店で20程度在庫があるだけ。15,750円もちろん新品です。Fisco?もしかしたら銀座らんぶる(カフェ・ド・ランブル)で見かけたかもしれない。薄い記憶。
  http://www.h6.dion.ne.jp/~lambre/   ←カフェ・ド・ランブル この店は究極の珈琲ですぞ。
 焙煎士に相談したら「フィスコは使ったことがないな。でもそれを買って素晴らしかったら、コーノ持っている鼻持ちならない族に会った時に、<コーノなんて古いですね。僕はフィスコですよ。>と自慢できますね。」とか言っていた。
 http://www.yamamoto-coffee.co.jp  ←ヤマモト珈琲店、ご参考まで。まだ在庫はあるみたい。
 だからフィスコにする可能性もあったのです。どのような使い心地か不明。
 
 ところが、祝福されたタイミングが訪れたことからkonosのオーナーになれた。
 明日、焙煎士Hに見せて「やっぱりコーノはいいね。生まれてきてすいません。」と嫉妬させる予定。
 香りと味を求めるのは業の深さに由来する。
 道徳心を弄ぶ。罪深きかな。
 たかが珈琲。されど珈琲。