十割蕎麦と名曲喫茶

イメージ 4
 不眠症の影響からか最近あんまり調子が良くなくて、極めて凡庸な日々を過していた。
 気分転換に少し遅いけれど初詣は鎌倉宮。別に願掛けも何もしないで二礼一拍手二礼。
 その後以前から気になっていた手打ち十割蕎麦のお店に入ってみた。店というよりは普通の家なので玄関を開けるのに躊躇したけれど、とても美味しかったので正解でした。
 注文したのは十割の大盛り。隠れた名店なのでしょう。
イメージ 1
 満たされた気分で来た道を歩いていたら「蒲原有明旧居跡」なる看板を発見した。説明によれば蒲原有明所有の家であることを知らずに川端康成が住んでいたそうだが、オーナーを知らずに家を借りるなんてことがあるのだろうか。説明を受けたにもかかわらず、単純に川端先生が聞いていなかっただけと想像した。その後先生は荷車で長谷にお引っ越しされた。
イメージ 2
 今は昔。写真のような趣のある日本家屋ではない新しい家が建っていた。
 それから、これまたかねてから気になっていた名曲カフェに行ってみた。ここも店というよりは完全に家で、躊躇なんてもんじゃないのは「御用のある人は呼び鈴を押してください」だから、一瞬帰ろうと思ったのだけれど、せっかくここまで来たのだから勇気を出して入店(入家)した。
 驚いたのは面倒だから細かな説明はしないけれど、もの凄く高価なオーディオとアンティークコレクションばかりの部屋。(マリア・カラスパヴァロッティ内田光子とローラ・ボベスコのサイン入りフォトが飾ってあった。)
イメージ 3
 ボベスコのベートーヴェン協奏曲と、デラ・カーサが表題役でJロンドンがマンドリカを歌っているショルティ「アラベラ」終幕のレコードを聴かせていただいた。
 蕎麦屋も喫茶店も、押し付けがましさのない性格のオーナーで何も話しかけてこない「ほどのよさ」が好ましいと感じた。
 
 徐々に社会復帰しなければ。