グリモーのCDと大雪とアルブレヒト死去

 大雪の土曜日、仕事を終えた安心感から御茶ノ水ディスク・ユニオンでCDを漁っていたことが災いし帰宅するまで6時間も掛かってしまった。中央線と横須賀線が運行見合わせ。総武と山手を乗り継いで東京からゆっくり進んだり止まったりの東海道線で藤沢に向かった。駅に着いたらバスも江ノ電も動いていなくてタクシー乗場は長蛇の列。寒さの中暫く待ったけれど全然車が来ないから仕方がなく歩き始めた。自宅までだいたい4キロ~5キロ。雪上に革靴の相性の悪さ。風が強くて新田次郎の「八甲田山」を思い出した。途中ミニ・ストップで珈琲休憩。コンビニは心のオアシス。携帯からブロ友に「まだ帰れない」とコメント。計1時間半歩き無事帰宅できたけれど冗談抜きで死ぬかと思った。
 藤沢改札にこんなはり紙。この後東海道線も運転見合わせになったからラッキーだったのでしょうか。
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 タクシー乗場写真も追加。皆遠くまで帰るのでしょう。
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 そういえばディスク・ユニオンの店舗面積が狭くなっていて(奥のレコードコーナーが極端に小さい。)改装するのなら楽しみだが、今どきクラシックの中古ショップを新しくしたところでメリットがあるはずもないから、きっとこのままフェイドアウトして数年後には神田からレコードが消えてしまうのだろう。とか思った。
 僕は雪の日にグリモーのCDを3枚買った。
 今年に入ってからグリモーに注意していて、FBやyoutubeで確認しながら、もしかしたらホンモノかもしれないという気がしていたのです。幾つかCD聴いた人の書き込みも読んでみたのですが、評価が高かったり貶されたりで参考にもならないが、所詮「人はものを思う存在である。」この台詞はベーコンだったかな?
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 ①Mozart Piano Concerto 19/ Chio mi scordi di te?- Non temer,amato bene. Mojca Erdmann(s) /Piano Concerto 23 Bayerischen Rundfunk
 ②John Corigliano fantasia on an ostinato for solo piano/Beethoven sonata 17 tempest/fantasia for piano,chorus and orchestra Swedish Radio och&cho Salonen(con)/Arvo Part 「credo・・」 
 ③Schumann Piano Concerto Staatskapelle Dresden Salonen(con) /Clara Schumann「Deux Lieder sur des・・」etc,von Otter(ms)/Brahms Cello Sonate Truls Mork(vc)/Deux Rhapsodies
 曲の構成が興味深い。まだ全て聴けないでいるのだけれど独特な刺激が面白い。③のロベルト→クララ→ヨハネスの展開は素敵ですし、②は歴史的背景を調べてみなければ理解が追いつかないが論理的発展があるのでしょう。
 アバドに駄目出しして発売されなかった23番では、もちろんブゾーニカデンツァが聴ける。
 このピアニストさんは10代で華々しく売り出され、ずっとその年齢のような錯覚があったのだけれど、いつのまにやら40代半ばだそうで(そのわりには若く見える)気がつかないうちに音楽的熟成が進んでいたからちょいとした衝撃を受けている今日この頃です。音の立ち上がりが早くて時に大胆な主張。こういうピアノ好きなので少しずつコレクションしようと考えています。
 12月にネルソンズバーミンガムが東京文化でブラームス演奏していて、聴きに行けばよかったと後悔。
 
 ※ところで、ゲルト・アルブレヒトが他界した。
 僕はたぶん3種4回体験しいている。シュレーカー「はるかなる響き」ウィーン国立/チャイコフスキー「オルレアンの少女」バイエルン国立/ワーグナータンホイザーハンブルク歌劇場は日本公演で主役がコロだったから2回行った。アバド同様にオペラしか聴いていないけれど、いつもいい仕事をする人だと思っていた。堅実なスタイルは舞台の明かりを歌手の演技と歌唱を記憶に残してくれた。かといって伴奏が不在なわけではなくて、いつでもドイツの職人的な気質が作品を支えていた印象。好きな音楽を構築する人でした。残念です。