本と文房具を買った

 仕事上欠かせないアイテムが筆記用具。
 学生時代からシャーペンが苦手でもっぱら鉛筆を使い続けている。
 歴代の鉛筆は三菱→トンボ→ファイバーカステルという展開でしたが、数年前からステッドラーを愛用している。
 その中でも「STAEDTLER Mars Lumograph」が最もお気に入り。一般的には製図用としてそれなりに有名だけれど、神経質な性格が災いし、いまのところこれ以上の鉛筆が見つからないのは、軽くて丈夫で持ちやすく芯の磨耗が少なく書きやすいという全ての理想を獲得しているから。
 ただし他社と比較したら高額である。メーカー希望価格が一本160円(税別)あとは価値観の問題。
 古のドイツのニュルンベルクアルブレヒト・デューラーから約100年後の1662年にフリードリッヒ・ステッドラーなる人物が鉛筆を考案。なんだか理解できないけれど、日本でいうところの寛文元年徳川家綱の時代らしい。その後一族は家業として鉛筆を作り続けた。つまり「ニュルンベルクのマイスタージンガー」みたいな鉛筆職人がいたのでしょう。韻律を美徳とする歌える詩人であったかは不明。時は流れ産業革命のドサクサに紛れて1835年に会社設立したのは大バッハみたいな名前のヨハン・セヴァスティアン・ステッドラー。ちなみに日本は天保6年、鎖国状態の江戸時代に変化無し。
 とにかく、鉛筆が短くなってきたので新しいのをアマゾンで注文した。いつもは御茶ノ水丸善なんかだったけれど、通販は安いですし押さえきれない物欲はどうしようもないもんで、同メーカーのペンケースもついでに購入した。そいつが昨日午前中に届いた。たいした買物でもないのにワクワクした。
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 開封。ケースを捨てる勇気なし。
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 驚くほど柔らかい素材はレザー。ケースを開いて新しい鉛筆を挿入。
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 色気も何もないけれど、いかにもドイツ的なのは機能だけを優先させ、笑ってしまうくらい無駄のない世界。
 なんとなくいい仕事ができそうな気分になるもんで、やっぱり道具は大切。一生ものになる予感。
 実は今回は鉛筆に拘りを持たせました。無料サービスだったので名前をいれてみた。
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 ハンス・ザックスは靴にお客に相応しい格言を書き入れたとオペラであって、ある種の憧れはあるけれど、実際そんなことしたら俗っぽい雰囲気になるし、せいぜい名前が限界。
 それとも「高等遊民」とか勝手に「Wolfgang von」とかミドルネームを付け足たすのも面白いが、誰かに気がつかれたら人格を疑われる。
 そんなこんなで午後仕事に行った。
 筆記用具は完璧だったけれど、名刺交換の時にケースが壊れかけてしまったことに気がついた。
 お客様には分からないようにしたけれど、心の中で「次はカード入れか・・」
 打ち合わせ後、次のアポまで僅かながら時間があり古本屋街を歩き、書泉グランデで平積みになっている村上春樹新刊を手にする。驚いたことに4月20日第1刷発行・4月25日第2刷発行と印字されているから(昨日は19日)
 「もう初版じゃないのですか?」と店主らしき人物に質問。そしたら店主らしきと隣の女性が驚いた表情。
 「気がつきませんでした。申し訳ありません。」と頭を下げた。
 「そんな、やめてください。それだけ人気のあるご本なのでしょう。」
 「買っていただけるのでしょうか?」
 「もちろんです。中身は一緒ですから。それに川端康成じゃない。」
 「そうかもしれません。文芸さんがもっと印刷すればこんなことにならないのに・・カバーはお付けいたしましょうか。」
 「電車の中で読むとき恥ずかしいからお願いいたします。」
 「おっしゃるお気持ち共感いたします。」
 ※考えてみたら可笑しな会話。書泉グランデは良い本屋さんだと思った。
 隣は小宮山書店のガレージセール。三冊まで500円。つまり一冊でも500円だから短時間で三冊探し出す。
 城山三郎「支店長の曲り角」/丸谷才一「桜もさよならも日本語」/高木勉「われ八甲田より生還す」
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 急いで都営地下鉄で内幸町。新橋まで歩く。途中に質屋を発見。アポまで5分あったので店内で名刺入れを探す。ポロの新品が900円。即決購入。
 使い古された名刺入れは左。知人がカナダに行かれたときのお土産で素材は鹿。ここまで使えば充分でしょう。そして新しいものは牛レザー。ポロのロゴが入っていないのでジジくさい印象無し。
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 「次はモンブランの万年筆マイスターシュテックか・・」
 現実的には高すぎて買えない。