K626とイベリコ豚

 お世話になったお客様にお誘いいただき池袋のビストロで食事してきました。
 お店の名前は書きませんが、東口にほど近いとあるビルの3階は清潔感のある空間。
 気が利いたスマートなサービス。美味しかった。
 皆はビールやワインを楽しんでいましたが、僕は乾杯用のスパークリングだけにして甘くないソフトドリンクに切り替えた。もう大丈夫と思いつつ、およそ3ヶ月アルコールを口にしていないと身体が慣れてきてしまう・・(そういえば1回だけ友人と居酒屋に行き、晴耕雨読の水割りを飲んでいたっけ。)飲まないことと、炭水化物対策に(そういえば1回友人と寿司屋に行った。)慎重に血の廻りを獲得していると気がつかされるもの。
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 最初は大山地鶏のスモーク。良い香り。たぶん桜チップを焙ったもの。次が写真のムール貝と、あれオマールだったかな?忘れてしまった。でも奥歯から舌の端っこに流れてきた雰囲気はオマールの旨味だと思う。
 
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 久しぶりのチーズフォンデューは楽しい。ふと「茶の文化史」を思い出した。
 手水をつかい、躙口から茶室に入れば小宇宙。濃茶をまわし飲みすることにより「もはや他人ではない。」とバリトンの教授が発した不可解な言葉がいきなり記憶の彼方からやってきた。愚かなことに前後関係が曖昧だけれど、チーズフォンデューで濃茶を連想するのはなかなかシュールと思いつつ、そんなお馬鹿な話ができるはずもないし、それ以前になんで自分がわざわざ茶の文化史を専攻したのか不思議でならない。
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 イベリコ豚の煮込みの時だった。真向かいにいた研究職の男性(お客様は過去。もう友人です。)が唐突に発した「ケッヘルの626が好きでね。」って、大昔の教授に匹敵するくらいインパクトのあるお言葉。
 だって、初めて一緒に食事した相手がいきなりK番号なんて普通はありえない。思わず「626って、何の曲でしたっけ?」と聞き返したら→「怒りの日です。」→「つまりレクイエム?」→「ああいう強烈な音楽がたまりません。」
 僕は同時に2つのことを考えた。
 一つは中学時代に好みの女の子に勇気を出して質問した「お誕生日はいつですか?」に対して「昨日」と返事された生涯忘れられないであろう絶望。
 もう一つは、普通なら「モーツァルトが」とか「レクイエムの怒りの日が好き」だろうに、ケッヘル番号なのだから只者ではないと思ってしまったこと。帰宅して最初にしたことはCDの棚からレクイエムを探しだし番号を確認。
 それともK番号で作品を記憶することが世の常ならば、今まで僕は間違った捉え方でモーツァルトを覚えていたのかもしれない。
 しかし、池袋での楽しい時間はレクイエムから対極のパパゲーノな気分でした。
 また食事会しましょう!
 ちなみに誕生日話のときは「K543」が頭の中で鳴っていた。人気のある最も素晴らしい交響曲だとは思うけれど、あの日以来39番があまり好きになれないでいて、夕暮れの学校のチャイムが少しフラットぎみの大きな音で「新世界」の第2楽章だったけれどオレンジ色のK543が勝っていた。
 
 
 
 ところで、マゼールPMFをキャンセルしてしまった。
 代役は佐○裕・・一緒に聴きにいく予定だった友人(酒好きの太鼓たたき・ティンパニともいう)にメールしたら、今朝方返信があって僕と同意見で安堵す。
 つまり払戻しすることにしました。
 マエストロの容態が気になって、調べてみたら腰の具合が悪いとかで、でも詳しいことは分からない。
 以下本人のサイトから一部シェアさせていただいたのはニュースとは関係ない部分。
 何が言いたいかというと、翻訳は最初から不可能だとは思うけれど、なんだこれ(笑)
It is a fantasy of a Musical Author that transforms amorphous quirks that dot our innards into thrills that thrust us forward. Our ○○ forms a wall of missing links, making all again wondrous, a firm chain, bound anchors of magic.
それは、我々を押し進めるスリルに我々の内臓に点を付ける不定形の気まぐれを変えるMusical Authorのファンタジーです。我々の○○は失われた環の壁を作ります。そして、すべての再び不思議な、安定した魔法の縛られた支えを製造します。
- Lorin Maazel
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 翻訳機能が最近の悩み。モーツァルトを聴くチビ。