メサイアと演奏会ベスト3

 23日、カトリック雪ノ下教会で「メサイア」を聴いてきた。
 グロリア少年合唱団、グロリア男性合唱団、グロリア室内オーケストラ、指揮松村努氏他
 毎年「メサイア」が演奏されているのは知っていたけれど、信者でもないし、ましてカトリック教会だから若干の抵抗を感じつつ、それでも聴いて良かったと心から思える演奏会だった。
 16時30分開場で自由席とチラシに書かれていたのでだいたいその時間くらいに行ってみたら、予定より早くオープンしたのか既に座る場所がない混雑ぶり。関係ないが目の前で乗用車とオートバイの派手な接触事故があって女性の悲鳴と共に「バン!」と大きな音。近くにいた人たちが倒れたバイクの運転手に救いの手をさしのべていたけれど、僕は人の渦の中不自由な姿勢のまま教会の中に押し込まれた形。やっとの思いで見つけ出した空席は2階の祭壇から一番離れた場所だった。でも理想的な音響具合でした。
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 最初に少年コーラスだけで「あめのみつかいの」「神の御子はこよいしも」が歌われたときは、音程のくるったあまりに弱々しい合唱にドキドキしてしまいましたが、大人が加わった「メサイア」はそれはそれは素晴らしい演奏だった。オケは16~17人程の本当に室内楽の響きで合唱は50人くらいはいただろうか。
 それで正面十字架の直ぐ右横壁面に 日本語訳「主の栄光が現れ」とか「万軍の主はこう言われる」などが映し出される仕組み。(仕方がないけれど翻訳に「主は」が多いからもう少し控え目にならないものかと汝は思ったしだい。)一部の後に休憩時間が一度、つまり二部と三部は続けて演奏された。
 どうでもいいが二部の「Hallelujah」が終わったと同時に「ブラボー」馬鹿がいてうんざりした。
 「君、ここは教会だよ。」とでも語り掛けたくなったけれど「主の名において彼を許したまえ。アーメン。」
 そういえばHallelujahだけではなく、最後のWorthy is the lamb that wasslsin・・・Amenにしても堂々と歌い上げるような音楽が構築され、それはそれで素晴らしいとは思うけれど、何か大切なものを喪失した印象があったのは何故だろう。僕はメサイアに詳しくないので何を正しいのか分かっていないが、もしかしたら不可能かもしれないけれど祈りとして静かに帰結してもらいたいささやかな欲求。
 演奏会は20時に終わった。ところが20時30分には自宅で寛いでいたのだから地元というのは有難いもの。
 
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 ここで2014年度演奏会ベスト3を発表させていただきます。今年はあまり演奏会に行かなかったな。
 1位 レオ・ヌッチのリサイタル(11月28日初台タケミツメモリアル
 2位 ルネ・コロのリサイタル(7月3日紀尾井ホール)及び「ローマ語り」(7月7日サントリーホール
 3位 「パルジファル」ヘルリツィウスが歌ったクンドリー(10月14日新国立劇場
 無理やりランキングしたならば以上のようなと感じですが、この3つに関しては本来順位付けなんてできない稀有な体験だったと思っている。偉大な歌の力を体験した。
 他に、純粋に素晴らしい演奏だったのは、やはりウィーンフィルハーモニーの「ツァラトゥストラ
 そして小澤氏指揮水戸室内によるベートーヴェン第4交響曲
 アヴデーエワの「ダンテを読んで」も忘れがたい。
 
 
 
 ところでシェロー演出の「フェードル」のDVDを入手した。フランスからの輸入ものだから若干高額。
 言葉の問題に四苦八苦だけれど、緊迫した内容に夢中でモニターを凝視。
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 血の祝祭。時に暴力的な言葉の連鎖。音楽が無い世界の美しさ。
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