菊地絢女さんの個展

 土曜日のこと仕事を終えてから、初台で開催されている造形作家菊地絢女さんの個展に出かけてみました。 
http://www.ayamekikuchi.com/Newstop2012.html 月末まで展示されている。
 人の出会いは面白いもので、僕が司会をしたお客様の友人が絢女さんという繋がり。少し前からHPを見させていただいて興味深い作品だと思っていた。
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 場所は初台の駅から数分、古い感じの商店街の一角にあるお洒落な雰囲気のカフェ。店舗のオーナーは東京フィルハーモニーの奏者。たまたまこの日に団員による弦楽四重奏のミニコンサートがあって(プロコフィエフラヴェルドビュッシー)素敵な演奏に心奪われた。聴き手も30人程度で満席なものだから大迫力。プログラムは造形作家のリクエストに答えた形とのこと。
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 彼女はいつの日か紙と出会った。鋏よりカッターナイフを使いこなす。↑の作品は大海原に一艘のヨット、
一枚の紙だけで造られた。
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 意識を必要以上に反復するといずれ下意識の領域に入り込む。何故その線を切りだせたのか、何故奏でることができたのか、何故語れたのか、論理的に解説できないが、その風を獲得するまで3年3ヶ月要した。現在はある程度はコントロールできるけれど(完全な理想からは程遠い)正直曖昧に終始している。つまりどんなに努力しても不可能な場合があることを知っている。つまり悲しいことに始める前からそいつが見えてしまう。それでも諦めずに努力は試みる。だって悔しいから。どこかで誰かが見てくれれば充分だから。いつでも僕はケミストリーを求めてやまない脆弱な存在なのです。ただどのような時でも奇跡は起こると信じないではいられない。
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 彼女の作品には職人としての確かな技術がある。手作りの温かみもある。
 ところが長時間見続けていると一つ一つの曲線が精神のリストカットなのだと気がつかされてくる。美しさの半分は猟奇的。いくつもの、まるで迷路のような路地を歩きながら地球の重力を感じ、時折俯瞰しながら肉体との微かな繋がりを確認するのです。繊細な世界です。
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 モビールのようなモノトーンのオヴジェ。夢の中で僕は一本の糸に操られている。

 悪文のサンプルみたいな自分の文章にうんざりしています。
 
 絢女さんの作品は素晴らしく、ちょっとしたカルチャーショックだった。
 イベントの関係でざわざわしていたので人の少ない日時に鑑賞したいと思った。