バイロイト「トリスタンとイゾルデ」をリアルタイムで鑑賞

 昨夜7・25バイロイト音楽祭が始まりました。
 初日はカテリーナ・ワーグナー演出、ティーレマン指揮の「トリスタンとイゾルデ
 リアルタイムで聴きたいがために開演時間に合わせPCの前に座ったのはヘルリツィウスがイゾルデだったから。そしてラストのころには白々と夜が明け始めていた。ラジオだからカテリーナの舞台がどのようなものなのか?だけれど太陽を呪う気分がなんとなく理解できた感じ。写真を見るかぎり美しい舞台。
 
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 ちなみに鰻を食べてから鑑賞。なんか九州産らしい。成城石井で購入。
 
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 大昔のネオ・バイロイトみたい。                                          
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 ゲッツ・フリードリッヒのリングみたい。
 Stephen Gould, Tristan
 Georg Zeppenfeld, König Marke
 Evelyn Herlitzius, Isolde
 Iain Paterson, Kurwenal
 Raimund Nolte, Melot
 Christa Mayer, Brangäne
 Tansel Akzeybek. Ein Hirt
 Kay Stiefermann, Ein Steuermann
 Tansel Akzeybek, Junger Seemann

 Chor der Bayreuther Festspiele (Einstudierung: Eberhard Friedrich)
 Orchester der Bayreuther Festspiele
 Leitung: Christian Thielemann

 ティーレマンを<芸術の理解できない指揮者>と思い込んでいたけれど、今回はわりと良いのではないかしらん。とは申しましてもごく普通の雰囲気で(ライバルはペーター・シュナイダーあたりか)作品の麻薬的な魅力というか鳥肌が立つような感動はやってこなかった。つまり害の無いトリスタンだから眠い目を擦りながら最後まで聴くことができたのです。安易な表現ですがさらりと秘薬を飲んでしまった印象で、あんがい最初からただの水だったのかもしれません。このあたりはそのうち動画で確認することができるでしょう。でも丁寧な音作りだから初めてワーグナーを聴く人には分かりやすいかもしれない。そういえばどの幕でもブーイングはなかった。カテリーナ!それでいいのか?
 ちょっと苦手に感じたのは第2幕。グールドの歌が時々上ずっていて、猛暑と疲労もあるのでしょうが一回で音が決まらないストレス。ヘルリツィウスの叫び続けるエレクトラ的歌唱(笑)それとやっぱりマエストロのなんというのか?モワモワした音楽に睡魔と格闘。お馬鹿な表現ですが、おでん屋で様々な具があるのに<ハンペンしか食べてはいけない罰ゲーム>の只中にいて顎から耳にかけて独特の痛みがおとずれるあの感じ。
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 休憩時間の珈琲は濃くなくてはならない。
 第3幕、グールドはグールドなりに耐えた。感動はなかったけれど、現在最高のトリスタンなのだと思う。
 最後に驚きがあった。それはヘルリツィウスの「愛の死」で、エレクトラ的なのは同じだけれど、これほどまでに情念を感じさせるそれは初めてだった。CDRに録音したので改めて聴けば異なる感想を持つかもしれないけれど。
 <君を思いし身を焼くときは煙多かるものにぞありける>
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