SEIJI OZAWA FESTIVALでマーラーを聴く その1

 今日は脱力して書きます。
 水曜日の23時頃に松本にお住まいのブロ友gustavさんから「チケットが余ってしまいました。演奏会は28日つまり明後日。ご一緒にいかがでしょうか?」との連絡がありました。遠方だし急な話なので一度は辞退したものの、翌朝「やっぱり行ってみようかな。」と考えを改め出動することにした。慌ててホテルを予約し荷物の準備。
 松本の「SEIJI OZAWA FESTIVAL」は今後余程の企画がなければもう行くことはないだろうと(ブログにも書いている)思っていたのですが、昔から僕はイエスマンと言われていてこういうお話があった場合あまり断らないのです。つまり今回のそれも祝福されたタイミングと考えたのでした。プログラムはハイドンマーラーという最近聴いていないタイプの演奏会だけれど、出かけて良かったと思ったのは何も音楽だけが理由ではなく友情を大切にしたいと実感できたから。喜びを分かち合える関係は幸せなのです。
 新宿からあずさに乗車し12時30分に松本着。かねてから訪問したいと思っていたビストロに入店したら、ブロ友とむさんと母上に遭遇。偶然といえば偶然だけれどなんとなく会うような気がしていたからあまり驚かなかったけれど、お会計のときにお店のマダムが「先ほどのお客様とは偶然だったんですよね?」と何度も聞かれたから面倒臭くて「偶然です。人生は美しい。」
 数日前にマエストロ小澤も来店されたというビストロ。僕のオーダーはオムライス。芸術的完成度。美味しゅうございました。
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 その後ぶらり街を散策。喫茶「まるも」で時間を潰す。マンデリンを飲もうと思った瞬間に古いサンスイのスピーカーからチャイコフスキー1番のピアノ協奏曲が大きな音で鳴りだし当惑。できれば聴きたくない種類の音楽だったから半分我慢しながら珈琲を啜る。生真面目な性格が災いし全曲鑑賞。
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 ホテル花月にチェックインして大浴場で汚れた精神とチャイコフスキーの幻聴を洗い流す。自室に戻ったら急に原因不明の気だるさに襲われ暫しベッドで横になる。そして18時過ぎgustavさんが迎えに来てくださった。
 19時開演。小雨のキッセイ文化ホール。
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 毎回ファビオ・ルイージを見るたびに魔法使いを連想する。どうでもいいが黒い尖がり帽子にホウキを跨がせたい強い衝動を覚えるのは何故だろう。1曲目の「熊」は数年前に神奈川フィルの定期でも聴いていて世間的にはどうか知らないけれど個人的には馴染みの作品。ただ編成が50人位いただろうか(ルイージの好みはどうだか解からないがサイトウキネンバージョンなのかしらん。)素晴らしい演奏だとは思ったけれど、あまりに分厚い音で奏でられたもんだから時代錯誤の指揮者による暗黒のベートーヴェンを聴いているような重っ苦しい気持ちになってしまった。しかし何故「熊」だったのだろう?謎は深まる。
 後半はマーラー5番。そういえば僕の左隣の年配の紳士(ジジイ)が聴きながら身体を動かす人で、正確には指揮をしている。「気になるのでできればじっとしていてください。」と休憩時間に注意するも動かさないでいられない興奮が終楽章で爆発。椅子が揺れるくらい動く。しかも余韻をかき消すブラボー屋だったから殴ってやろうかと思った。けっして許されないが百歩譲ってフライングブラボーは仕方がないとしてもだ・・だいたい公共の場でマーラーの5番を指揮するなんぞ音楽ファンにあるまじき行為である。
 それで5番なのですが爆演だった。気がついたらgustavさんがいなくなっているのでどこに行ったのかと思いきや一番前で拍手していらした。写真はその時の情景。
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 草臥れたのでその2に続く。
 おやすみなさいませ。