珈琲達人への道

 一杯の珈琲への異常なまでの拘りを紹介させていただきます。
 まず生豆を水に浸ける。なんとなく内部に水分が浸透するを理想と感じているので、この作業だけで数時間。 
 同時にチャフといわれる表皮を丁寧に取り除くのですが、吃驚するくらい水が汚れるから(泥水みたい)何度も水にさらしながら作業を繰り返す。
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 洗い終わってから(写真参)最近の好みとしてしばらく乾燥させるようにしている。中には黒っぽかったり茶色の豆が混ざっているので、それらはピックして捨ててしまう。特に虫食い豆には気を使っていて、一粒捨てれば一粒分雑味が消える理屈だから丁寧さが要求される。時に神経質な自分が嫌になるが不思議なもんでこの手の作業は苦痛にならない。
 そして手回しの焙煎機に投入して火にかけながらグルグルまわすこと数十分。この焙煎機は行きつけの豆屋が無償で貸してくれた。生豆もほとんど横流しに近い金額で購入しているので、世間の喫茶店がいかに低コストで莫大な利益を獲得しているのか学習した。注意点は部屋中が煙だらけになるので換気扇はもちろん窓も全開にしなくてはならない。
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 完成した豆は瞬時に冷却させなければならないので、麻の袋に入れて外で振り回す。たまに通行人の怪訝な視線が気になるけれど仕方がない。
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 今回はマンデリン珈琲。焦げる直前まで焙煎したので市販のもの比較すると真っ黒に見えるけれど焦げてはいない。下の写真はエチオピア。いわゆるモカ珈琲なので少しだけ浅めの煎り具合。イメージ 4
 次は焙煎した豆を数日寝かせる。徐々にガスが抜けて、だいたい3日目くらいから香りが開いてくるのです。でもどうしても飲みたい場合は飲んでしまう。ものは考えようで日に日に変化する味と香りを楽しむことができる。
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 そして3日後、オークションで激安落札に成功した河野製のミルを取出し、時間をかけて丁寧に挽くのです。
 慌てて挽いてはいけない。摩擦熱が香りの劣化と関係しているように思うから。フィルターは布がいい。これも河野製です。
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 カップは薄いものが良い。舞台をご一緒したピアニストさんがプレゼントしてくれたカップは、たぶん有名ブランド。そういうのに僕は疎い。
 この一杯を飲むために何日もかけているのだから馬鹿らしいといえばそうかもしれないが、自家焙煎歴も1年半になるので徐々にまともな味になってきていると思います。
 香り高い珈琲には音楽が欠かせない。
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 今宵ヤナーチェク歌劇「イェヌーファ」と共に。マドリッド王立劇場2009年のプロダクションです。
 
 
 そういえばどうでもいい話ですが、最近精神的に調子が良いのでFB復帰しました。
 依然同様ドメスティックな内容をシェアするつもりはありませんが、うんざりすることが起こったらまた止めるでしょう。