鴨が食べたい


 この季節になるとパートナーが何かしらご馳走してくれる。
 いつだったか僕は鴨が食べたい発言をしていて、数日後予約したお店がここだと知り吃驚したのでした。
 http://www.tourdargent.jp/  (ご馳走になる立場でも心配だからATM経由で出かけました。)ちなみにランチである。ディナーだったら大変かもしれません。
 フレンチの正餐は久しぶりで、2~3年前に知り合いがシェフしている中目黒でのありえない割引き以来だと思うけれど、あれ?もしかしたらローストビーフ鎌倉山だったかもしれない。
 いずれにしてもメインはA5ランク黒毛和牛で、そのときは「世の中にこれ以上美味しいものはないだろう。」と納得するものの、仮にまた食べたいか?と聞かれたら、「ナルコレプシーが改善され、空が青く見えたら。」と答えるような気がする。いくら美味でも年中身体が欲しているとはかぎらない。年齢からくるものかもしれないけれど、お寿司屋さんやお蕎麦屋さんが贅沢な時間で、調子がいいときは鰻屋さん、海が見たいときは由比ガ浜ハンバーガー屋さん。友人とは居酒屋。独りになりたいときは静かなバーかカフェ。
 それで今回はこのメニュー。
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 正確には無理にお願いして鴨のダブルコンソメスープを追加。最近シェリー酒入れすぎのコンソメが多いけれど、王道を突き進むような完璧な仕上がりでした。魚とお肉の間で供された。
 ワインはアルフォンス・メロのサンセール・ブランだと思う。レモンジュースのような強い酸味。爽やか。料理との相乗効果。(ワイン好きなnemoさんに僕はなにを飲んだのか?おかしな質問しました。)
 だと思うというのは、昔からワインの銘柄を記憶するのが苦手でソムリエさんを尊敬しているのです。それに写メなんか撮れる雰囲気ではなく、たぶん禁止なのではないでしょうか。
 実はこのレストランは10年くらい前に食事ではなく仕事で訪れたことがありました。
 お医者様のご婚礼があって、Nオータニ経由で依頼がありMCを担当した。
 席まで案内してくれた人は初めてじゃなかったから、あの時同じ空間にいたのではないかと想像した。
 色々なこと思い出すもんで、MCのときはいつものようにタキシードで来館したのですが、ここはスタッフ全員が燕尾で、あとから所有していたほうがいいのかなと思った。しかしその後必要な状況はやってこない。今後もたぶんない。
 拙い文章では伝わらないから、オードブルだけHPから拝借。
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 ホタテと野菜の下に棒状のとても柔らかい白いムース。爽やかなバニラの香り。その中に根セロリ。レムラードというとマヨネーズから派生した言葉だと思うけれど、刺激の強い雑多な味ではなく、ホタテと根セロリの味と食感が勝っている。とにかく繊細。
 連れが調子にのり「MCしに来たことがある。」とソムリエさんに伝え(馬鹿なにも言うな!)「なんだ、そうだったんですか。」という展開になり、その後雑談に花が咲いた。皆さんフレンドリー。
 アイナメはポアレとのこと。焦げ目は無い。どのように調理したのか見ても判断できない。表面の皮だけにパンチのある塩分。ほんの少しだけ脂を素材にかけたかな。面白いと思ったのはソースで塩分が緩和されちょうどいいだけでなく、ストレートにアイナメの旨味が感じられたこと。
 お肉は鶉か鴨で選ぶのだけれど、最初から鴨と決めていたからチャンスがあれば次回はペルドローということで。悩ましいと感じたのは雷鳥をチョイスすることもできたこと。食べたことないのでどのような味なのか気になる。つまり今ものすごく雷鳥が食べたい。
 ※鴨は美味しかった。柔らかいレア。火を通すと普通硬くなってしまうのに不思議だな。
 ということで、私はついに鴨カードを入手したのです。
 昭和天皇がパリ本店で食されてからナンバリングが始まりました。
 つまり248513羽目だったわけです。248513羽が犠牲となり食通の胃袋を満たした。
 パリでは1000000羽を超えているとのこと。
 実は仕事で来たときその説明をしてほしいといわれ「ご参考になさってください。」と同じカードをいただいていた。
 でもその入手方法は反則行為だと長年思い続けていた。ようやく呪縛から開放された。
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 その後別室でデザートをいただきながら食の余韻を楽しみました。
 カナールと柑橘系の相性でしょうか、みかんのデザートがやたら美味しく感じられた。
 プチフルはマドレーヌ、紅茶にするべきだったかなと心の中で思った。
 スタッフの皆さん、パーフェクトです。
 ご馳走様でした。
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 もの凄く古そうなワイン。
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アン・ブーリン そういえばグルベローヴァアンナ・ボレーナ聴いたのも秋だったな。