珍しく交響曲を聴いていました

  この1ヶ月テレビやラジオで様々な音楽が聴けました。
 もう9月初旬だったような気がするけれど、Eテレで尾高さん指揮のN響演奏会を放送していて、後半のチャイコフスキーsym5番を夢中になっている自分を発見した。番組冒頭マロのMCに独特の気持ち悪さがあって、見るたびにこの人は何を食べ、どのような生活をしているのだろうと思う。
 それだけならともかく奇怪な残留思念と共に感じたくないドメスティックな少年時代を想起させ、それは何故か縦笛を吹きながらランドセルで通学しているマロ。
 ところで尾高さんはどこか親しみやすい指揮者で、たぶん最初に実演を聴いたのは二期会タンホイザー」で、あまりに昔で記憶が曖昧だけれど、故リチャード・ヴァーサルが主役だったことと、牧童がその後知り合いになったソプラノ西森由美さん、乞食のような巡礼者のなかに知人テノールがいたこと。あとから聞いたら巡礼者曰く「ニ幕の貴族から三幕の乞食への着替えメイクに時間が足りなくて必死だった。」とのこと。
 その後数回どこかで尾高さんの何か(ブリティッシュもの以外)を聴き、井上道義さんや湯浅卓雄さんと同じように、個人的に満足させてくれる数少ない邦人マエストロなのです。
 とにかくテレビなのにチャイコフスキー5番と真面目に対峙することができた珍しい時間でした。
 https://www.youtube.com/watch?v=43bDPoRN2xA この動画は10年前のテレビ東京新年カウントダウン「アッピア街道の松」尾高&東フィル。毎年暇つぶしに観ているのですが、たかが数分間の企画だけれど、いまだにこれ以上の興奮を番組が演出できたことはないように思うのです。
 ちなみに次にドキドキしながら鑑賞したのは時間5秒前に曲が終了した金聖響さんの「ボレロ」・・恐ろしいのはあれから金氏の名前をあまり見なくなったこと。演奏は素晴らしいのにどこかで時間を意識しなくなったのか?最後の転調するところでギリギリチャンスはあったように思うけれど、だからライブは面白い。
 

 それからEテレの同じ番組でラトルが監督として最後に振ったベルリンフィルとのマーラーsym6番。ハンマーの音が苦手で普段は避けている曲だけれど、PCのオンデマンドみたいにお金が発生しないベルリンフィルは貴重だから聴いてみました。とはいっても同演奏は事前にラジオで確認していたので新しい発見があったわけではないけれど、動画はそれなりにワクワクするもの。素晴らしい演奏に思えた。若干音声編集しているだろうな。MCはやはりマロだった。
 普段はN響ばかりの番組なのに、この程度の頻度で他の団体が聴けるようにしてほしい。
 そういえばもう一つ別の団体を放送したように記憶しているけれど、たいした演奏じゃなかったのかな?忘れたか途中で寝た。
 すいません。急に思い出した。バーンスタインPMFを「ららら」で放送していたのでした。
 命をかけて若き演奏家に指導。涙を流しながら「これが音楽だ。」みたいな世界を正当化できた嫌な時代がそこにありました。常時ウイスキーとシガーを手に演説。ゲストの広上さんがソファーで足を組ながら「音楽を愛し、女を愛し、男を愛し、人間愛に溢れたレニー。受講生は幸せだった。」のようなことを話されていた。
 「あっ、そう。」と思った。係わりたくない人間の典型。存在がうざいのだ。

 
 ついでにウェブラジオ。これはまだしばらくは聴けるはずです。
 Koninkijk Concertgebouworkest  Michael Sanderling, (dirigent)
 ブロ友ハルコウさんが大量のブルックナーsym3番の聴き比べ企画をしていて、個人的にわりと好きな曲なので、毎回ブログ読ませていただいていた。そんなある日のこと若きザンデルリングがアムスのコンセルトヘボウを指揮したつい最近の演奏会が配信された。僕は良い演奏の基準がマニアックな人と若干ことなっている部分があると気がついていて、誰かに「聴いていられない。」とお叱りを受ける可能性があるかもしれないけれど、精神的に落ちつきを獲得できる稀有な世界に導かれる。馬鹿みたいだけれど3度続けて聴いた。
 台風の夜、風は強かったが雨が止んだ時間があって、窓を開けて大音量。
 もう誰かに決まっているのかもしれませんが、ガッティの穴埋めは全てこの人でいいのではないかしらん。
 
 もう一つだけ、ブロムシュテットがゼンパーとゲバントハウスの合同演奏会。
 日本では動画は再生不可でしたがラジオで聴くことができた。
 プログラムは「エグモント序曲」と「幻想協奏曲」。エグモント後にマエストロが講話を始めてだいたい20分程度「エグモントをフルトヴェングラーならこう鳴らす。」とか「幻想は・・」とか長々喋り続け最終的に和平と結びつけ、それはそれは感動的な舞台になったみたい。
 気持ちはわからなくはないが、演奏会の意義まではいちいち書きたくないから端折りますが・・う~ん、僕には実に退屈な幻想であった。

 ※珍しく欲しいディスクがある。
 まだ購入するか判断してませんが。
イメージ 1
 ① エレーヌ・グリモーの新譜「メモリー」CDかレコードかで悩んでいる。

イメージ 2

 ② カンブルラン&読響昨年のライブ録音「アッシジの聖フランチェスコ」のCD。


イメージ 3
 ③ バーンスタイン指揮バイエルン放送のライブ「トリスタンとイゾルデ」のDVD。これはペーター・ホフマンとベーレンス全盛期の動画だからが理由。特にホフマンが見たい。でも数年待って中古でもいい。CDは所有していたけれど、友人にプレゼントしてしまった。データは保存済み。大袈裟なレニーの演奏には少し古さを感じてしまう。正直嫌い。それでも音楽だけでストーリー展開が理解しやすい。初めて聴く人にはいいかもしれません。