名店でフレンチをご馳走になった誕生日

珍しく食の話を。
 もう1ヶ月近く経過いたしますが、誕生日にフレンチ正餐をご馳走になりました。食に拘る高等貧民。
 超有名店だけれど初めて。というのは過去に知人が2人働いていたり、ここで修行して今は日比谷の外資ホテルに勤務している若いコックさんの結婚披露宴の司会したり。あれ花嫁さんはパテシエだったかもしれない。どこか気をつかう要素があると落ちついて食べられないから。避けていた感じ。
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 元関係者が言うにはシェフは宇宙人みたいな?つまり常人では考えられない発想で美味しい料理を仕上げる。当日ホールの関係者に質問したら「今はそれ以上の世界へ・・」だそうで楽しみが倍増した。
 メニューは以下。シェフの創意で毎日変化する構成だから仕方がないけれど、甘味がやたら多いのが若干気になった。
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 奥の部屋の窓辺。心地良いテーブルがリザーブされていた。
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 ご馳走になった立場でおかしいけれど、金額が気になってしまい秘かに調べてみればビバレッジ込み(シャンパンも含む)で比較的リーズナブルだった。もちろんディナーになれば高額でしょうし、個々に変わったワインを注文したら大変だと思います。
 ベテランのサービススタッフは最初に全ての構成を丁寧に説明してくださり(アレルギーやアルコールの確認も料理が供される時は軽く確認程度の料理紹介。たぶんゲストの会話を中断させない配慮なのでしょう。
それがマニュアルなのかもしれないけれど<マニュアルのないのがマニュアル>の理想がそのまま実現されている。
 店内は良い意味でラフな雰囲気で写真撮影も大丈夫。周囲のテーブルはマダム風年配女性ばかり。
 昨年無理して出掛けたトゥールダルジャンは品格が優先され、行けばわかるがスマホやカメラをいじっていたら周囲のゲストへのコンプレに繋がりかねない。
 アミューズは玉葱のキッシュ。産地も教えてくてたけれど忘れてしまった。
 塩分をほとんど感じず野菜の甘みだけがやってくる。時間を掛けて仕込む職人の面倒な作業に感服。たた正直な感想としては革命的なそれではなく、たぶん写真から想像できるそのままのお味。
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 オードブルは名前が長いからメニューをご参照ください。
 ようはハーブや柚子の香りを生かしたトマトの中にエスカルゴが入っている温かいお料理。
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 考えてみたらエスカルゴをトマトで食べるなんて初めてだったので新鮮な印象。これまた美味しいのですが、たぶん写真から見た想像のままトマトの酸味が勝ってしまうので、中の食材はなんでもいいのでは?と思ってしまった。とにかく野菜に対しての異常なまでの拘りがシェフの刺激的創意なのでしょう。

 お魚は甘鯛。白いピュ レは北海道産のセロリ。繊維感ゼロだからジャガイモみたいな食感。そんなことより衝撃だったのは赤ワインソースだったこと。ポアソンに赤ワインの組み合わせ、もしかしたらこれまた初めての体験だったかもしれない。
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 この組み合わせを考え出したのはいつか知らないけれど、最初のお客さんはビジュアルからどのように感じたかな。個人的感想「吃驚するほど美味しかった。」ワインとの組み合わせや真ん中のセロリが全部ププラス効果。盛り付けはこんなもんでしょう。ス効果。盛り付けはこんなもんでしょう。


 お肉は鶉(うずら)。たまたま前日に今の時代どこにもないようなモロヘイヤのスープを食べているタイムスリップしたような夢を見ていて・・・「その夢は」どこかのもの凄く汚いレストランでモロヘイヤがいつまで待っても出てこない悪夢で、何故か巨大な地震アメリカ軍の爆撃が街を崩壊させる状況まで飛躍する。それから「冬の旅」の主人公のように破壊されたシリアみたいな場所を歩いていると、ピエロ衣装の手回しオルガンの楽師に「一緒に旅をしないか?」と話しかけられる。その先もあったけれど思い出せない。
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 しかしモロヘイヤとパセリの緑色のソースは衝撃的見た目。鶉のファルシは竹炭・へーゼルナッツ・松の実・レーズン入りって味の想像が全くできなかったが、非常に淡白なもの。メインなのに満腹感までゆとりがありました。実は鴨をチョイスするべきとも考えたけれど、鶉はあまり食べるチャンスが最近なかったのでそういうこと。

 
 フロマージュブランの林檎味。美味。
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 イチジクと赤パプリカのシャーベットにフランボワーズ。たぶんこれがデザートのメインなのでしょう。
 酸味が効いていてさっぱりと満足。
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 和歌山みかんのサバラン。クレームショコラ、みかんのグラニテ。
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 写真だとわからないけれど、周りにドライアイスが置かれていて、ポットで水を入れてくださり白い煙のようなケムケムを楽しまなくてはならない。
 こういう演出が極端に苦手なので、無言のまま我慢しながらケムケムが消えていくのを待った。
 いま振り返れば、ドライアイスはともかく、このみかんを魚と肉の間にサービスされたら口直し効果があって良かったかもしれない。美味しかったけれどデザート3連発は辛い。
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 汚い写真ですいません。
 プチフル3種に紅茶か珈琲なのですが、コースの構成から肉体が紅茶を求め、フレンチで珈琲を飲まない自分は過去になかったことだけは事実。俗っぽい理由だけれど、マリー・アントーワネットという名の紅茶を飲まなくてはいけないマインドコントロールにひっかかった可能性大。でも珈琲だと美食の余韻が消えてしまったかもしれない。紅茶の事は知識がないけれど、幼少期のウィーンにあらず成熟したパリのマリー・アントーワネットだと感じました。パリは飛行場しか知らないけれど。
 ドラマ「相棒」杉下右京の気持ちに思いをはせる。紅茶は深い世界かもしれない。

 サービスを担当していただいたベテランスタッフは総支配人だったと後から知り恐縮してしまった。
 スタッフの連携。クレーマーもいるでしょうしストレスも沢山。日々大変な労働だと想像した。
 共通知人の話にもなって、「それは驚きました。元気にされていますか?」と親しげに接してくださったことが嬉しかった。
 その知人の一人、いま京都で働いている女性に「四谷ミクニで食事した。」とラインしたら、「キャー久しぶり、いいな!」と返信がきた。最近関西弁になってきたらしい。
 
 全体的な印象としてはスタッフは皆が明るくアットホームな雰囲気。気どった店だとこれまで誤解していた。
 常に距離をとってくれるがゲストの求めている信号に敏感。
 たまにはゆっくり正餐も豊かな気持ちになれていいもの。
 迎賓館を正面から眺め帰宅した。


 本当は10月のうちに書くべき記事でしたが、身体の具合があまり良くない。
 月曜日はまた病院。年明けからセカンドオピニオンを検討しています。