「バン・マリーへの手紙」堀江敏幸

 数日にわたり随分と仕事が忙しかったのですが、やっと落ち着きました。
 今月の収入の大半を最初の4日で解決させたのだから、毎回このくらい忙しければ嬉しいのですが、しばらくは暗く暇な夏になりそうです。
 
 堀江敏幸著「バン・マリーへの手紙」を買ってみました。
 バン・マリーとは湯煎という意味。(直接火にかけないで逆に奥まで火を通す)
 過ぎ去った思い出等を表白している。
 以前教育テレビで吉田秀和先生と対談されていて、そんなことから読んでみようと思い、何冊か小説は読んでみたのですが、今回のような散文は初めて。
 気楽に構えていたのですが、ものすごく回りくどい文章形態で途中から我慢しながら眺めております。
 知的で構成も上手いのですが、何か私とは相性が悪いみたい。
 学生時代にクラスに一人はいた冗談を言っても絶対に笑わないような、無駄の無い生き方をしていて、成績が良くて、好きなくせに女性とあんまり話をしなくて、厚い本を手に常に急ぎ足で廊下を歩いている。
 そういうタイプの人と嫌々ながら無理やり会話をし、せっかく意見しても、「あぁ、そう。」とかわされているみたいな印象なのです。
 でも相手にしてみたら嫌われているのは私なのだから仕方ないこと。
 
 シューリヒトの指揮するブラームス4番ウィーンフィルのCDも買いました。
 終楽章が変な演奏で、とてつもなく休止符を長く取るものだから、プレーヤーが壊れたのかと思いあたふたした。
 しかしながら、嫌いな演奏ではありません。
 バン・マリーというより直火のようなインパクト、感情をそのままに強引に女性を口説いているみたい。
 不思議と感動した。
 腰が痛い。