「幻の下宿人」R・トポール著

 睡眠薬が切れてしまい仕方なく都内まで出かけた。
 近所の病院で済ませれば楽なのでしょうが、コンディション等を最初から説明するのが大変に面倒くさくて、何時もの事でもあるしちょっとした気分転換にもなる。
 駅前の本屋でなにげなく手にしたR・トポール著(榊原晃三訳)「幻の下宿人」を車中読み始める。
 貧乏な主人公がとあるアパートに引越してから徐々に理性を失い発狂するという話。
 救いようのないストーリー。
 でも面白かった。
 少しカフカ的。
 ポランスキーが映画にしているそうで観てみたいのですが日本では上映していない。
 他の作品も読みたいけれど探すのが大変そう。
 明日からはセリーヌ著(生田耕作訳)「夜の果ての旅」。
 猛暑が続き不眠が気になるのだから、異常文学を読む以外に何をしたらいいのか思いつかなくて、一生の間に一度くらい変な夏があってもいいだろうと考えた。
 どうにか秋のサロネン指揮ウィーンフィルも2つのプログラムが聴けることになりました。
 ブルックナー6番のCD、ヴァントがミュンヘンフィルを振ったライヴ番を買った。
 新宿のタワーレコードだったのですが、新宿は病んでいる。
 人ごみの数だけの受精を想像したら気持ち悪くなった。
 しかも35度、あんなところ長くいる場所ではない。
 後ろの席から缶ビールを開ける音。
 暫くしてサキイカの臭いが漂ってきた。
 ヴァントは少しばかり気取った雰囲気で、私の好みからは距離が感じられた。