下野頑張れ

 今日のニュースは、小澤征爾さん復帰公演サイトウキネンオーケストラ演奏会プログラム変更でしょうか。
 今朝方友人からのメールで知りましたが、癌は完治したものの腰の具合が悪く10分以上は無理だそうで、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」の一楽章のみ指揮、予定された曲目は下野さんが代役を務めるそうです。
 来週松本に出掛けて初日の演奏会を聴くだけに、正直コップを落とすくらいの衝撃がありました。
 それでも数分だって舞台に立とうとする小澤さんの時間は、音楽ファンにとって生涯忘れられない貴重な財産になると思い、「チケットを取って良かったのだ」と考え直しました。
 もしかしたら、私はチャイコフスキーで泣くかもしれない。
 上野や赤坂なら顔見知りに遭遇する可能性もあるけれど、松本ならそう知り合いもいないだろうから、「あいつ泣いていた」なんて馬鹿にされることもあるまい。
 でも本当に具合が悪いのなら無理しないで完全キャンセルしてもらいたい。
 ヤフーのオークションを見たら次々と売りの件数は増え、中には25%オフ、小澤でなければ聴かない人が多いみたい。払い戻しも無いから仕方ないのかな。
 でも考えてみてもらいたいのは、今回の代役は普通ではないし下野さんにかなりの精神的負担があること。
 いい演奏会になるように聴き手だって工夫し応援しなくてはいけないのは当たり前で、本当の音楽好きなら解るのは、こういうとき名演になる可能性が高いということ。
 先日NHKの言葉の番組で「頑張って」は正しいのか、議論していた。
 真剣に見ていなかったし、基本的に普段は使わない言葉だけれど、なんだか最終的には肯定的評価が高く話が纏まったみたいで、どうしてなのか中ぬけしているから何の説得力もなくどうしようもないが、兎に角「下野頑張ってくれ!」と、あえて使わせていただきたいのです。
 そういえば、小澤さんの代役って「サロメ」のヴェルバーもウィーンフィルサロネンもネルソンスも他は頭に入っていなかったけれど、若手ばかりですね。
 チャンスを与えているのかな。
 また泣きそうになる。
 最近?ここ数年随分とリラックスしながら演奏会に出掛けていたけれど、勿論脱力している方が意識が高揚してくるけれど、既に緊張してホールに入る自分が見えてくる。